KDDIが光回線+5Gの「auひかりプラス」を提供する狙い 光コラボを生かして全国展開も視野に:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2026年09月05日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

 KDDIは、固定回線の新サービス「auひかりプラス」の提供を9月17日に開始する。これまで、速度や料金以外にアップデートの少なかった光回線だが、auひかりプラスでは、新たに5G SAを組み合わせる新機能を採用。これによって即時開通が可能になったほか、災害、障害時のバックアップとしてもモバイル回線が活用される。音声通話も光回線ではなく、モバイル回線側で提供する仕組みだ。

 auひかりプラスはプロバイダーでKDDIの「au one net」を選択できない代わりに、NTTの光コラボを使った光回線にも対応しており、ユーザーがシームレスにサービスを選択できる。こうした座組からは、固定回線の販路を広げるのと同時に、グループ間の重複を減らし、事業の効率化を図りたいKDDIの狙いも垣間見えた。

auひかりプラス KDDIは、auひかりプラスのサービスを9月17日に開始する

光とモバイルをルーターで束ねる、魅力は開通の早さや冗長化にあり

 auひかりプラスは、光回線とモバイル回線を束ねて提供するサービス。ユーザーにレンタルするルーターにモバイル通信対応のモジュールを載せており、どちらか一方で通信できる仕組みだ。光回線の利用に必要なルーターと、5G対応のホームルーターを1台に集約したようなデバイスといえる。モバイル対応の主なメリットは3つあるという。

auひかりプラス 光回線とモバイルに両対応したハイブリッドホームルーター

 KDDIのパーソナル事業統括本部 事業戦略本部で事業推進部長を務める相原円氏は、1つ目の利点として、通常の固定回線は「開通までの時間が非常に長い」ことを挙げる。物理的に光回線を引き、工事も必要になるため、無線を使うモバイル回線とは違い、ルーターが自宅に届いてもすぐにサービスを受けられない。auひかりプラスでは、この点を解決している。

auひかりプラス KDDIの相原氏は、開通までの時間を短縮できることを挙げた

 ユーザーの自宅に5Gと光回線の両方に対応した「ハイブリッドホームルーター」が届く。あとは「箱を開け、電源を入れればすぐに使える」(同)。光回線が開通するまでの間は、“つなぎ”としてモバイル回線を使うというわけだ。また、光回線が開通しても、Wi-Fiなどの設定を変える必要なく、そのまま使い続けることができる。

 これまでも、光回線が開通するまでの間、「モバイルルーターをお貸ししてタイムラグを補う取り組みが個別に行われていた」(同)というが、これだと機器自体が変わってしまうため、短時間の間に再設定をしなければならない。また、電話も当初は利用できない。モバイル回線ですぐに使い始めて、そのまま継続可能な点は従来との大きな違いだ。

auひかりプラス 契約後、すぐに5Gで接続できるため、光回線の工事終了を待つ必要なく利用できるようになる

 また、光回線開通後も、5Gのモバイル回線は解約されるのではなく、そのままの形でスタンバイする。これによって、「障害が起きてしまった際に、5Gに切り替えて使える仕組みを持っている」(同)という。何らかの形で光ファイバーが途切れてしまったり、プロバイダー側に問題が起きたりしても、モバイル回線で通信を継続できる格好だ。通信障害だけでなく、災害時の備えにもなる。

 最近では、「宅内にホームIoTデバイスが広がっていたり、(リモートワークで)タブレットやPCが常時ぶら下がったりしている。常につながってほしいデバイスが増えている」(同)状況。「スマートロックはネット接続が前提だし、カメラも常にアクセスできるようにしておきたい。家のエアコンを外からコントロールするのも当たり前になっている」(同)。このような時に、回線の冗長化を図れるのは安心感が高い。

auひかりプラス 光回線側の障害時には、モバイル回線に切り替え、通信を継続できる。この1台で冗長化が図れるというわけだ

 提供当初は、回線の切り替えは手動になってしまうが、「もっと磨き込んでいくべきだと思っている」(同)といい、現在、新機能として自動切り替え機能を開発しているという。これが搭載されれば、光回線が途切れてしまった場合でも、ユーザーは意識せず、モバイル回線で通信を継続できるようになる。新機能はファームウェアのアップデートとして、年度末までに提供される。

auひかりプラス 当初は回線切り替えを手動で行う仕様だが、アップデートで自動切り替えに対応していく
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