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「ドコモの銀行」で何が変わる? ドコモFG廣井社長に聞く「通信×金融」の攻勢とグループ戦略(3/3 ページ)

» 2026年07月29日 02時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
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BaaSを活用することで、異業種の経済圏拡大に貢献できる

―― BaaS(Banking as a Service)以外の金融サービスも他企業に提供していく「スマートライフプラットフォーム」も発表されました。ここまで総合的にホワイトレーベルとして他社に機能提供しているところはないので、差別化になりそうですね。

廣井氏 BaaSはドコモSMTBネット銀行として提供しているところがありますが、お声がけしているところまで含めると数十社になります。ただ、ここは過去の営業の経緯(住信SBIネット銀行がドコモFG傘下になる前に提供していたサービスという意味合い)ですが、一緒になってからということだとタイミーさんがあります。われわれとしても、BaaSを提供すると、実質的に銀行口座が1つ増える形になるので、事業拡大につながります。

 ドコモと緊密にやっていけばドコモ経済圏を形成できるかもしれませんが、モバイルユーザーだけがフロントになってしまうので、限界があります。一方で、タイミー経済圏のように、われわれ以外の法人の経済圏に機能を提供することで、そのお客さまが間接的にわれわれを使うことになります。dカードでもd払いでもいいのですが、サービスを使ってもらえれば収益のチャンスにもなりますし、提供した事業会社は事業を拡大でき、ユーザーもdポイントをもらえるなどのメリットが出てきます。

 BaaSという考え方はすごくいい。それは、通信の世界でも同じことが起こっていたからです。もともと、光ファイバーはNTT東西が自社で売っていましたが、マーケットが伸びなくなった。そこで、敵に塩を送ってでもオープンにし、それを売ってもらうことで、マーケットが伸びました。NTT東西が販促費をかけなくてもどんどん売れますし、サービスを融合した形で使ってもらえる。こういった形で、卸として提供しながらマーケットを拡大するのは、1つのやり方だと思っています。

そういう意味だと、NTTグループは法人とのつながりや間口が広い。ドコモにはドコモビジネスがありますし、NTTデータやNTT東西もみんな法人営業をやっていて、日本中のほとんどの会社と接点があります。そういったところにアプローチできるオポチュニティは、すごく大きいですね。

NTTドコモ・フィナンシャルグループ ドコモ・フィナンシャルグループが持つ金融サービスを、ホワイトレーベルという形でパートナー企業に提供する

―― 日本航空の「JAL NEOBANK」と「JALモバイル powered by ahamo」のように、ネットワークサービスを含めて提供するということも可能でしょうか。あれは、別々のタイミングでしたが。

廣井氏 できると思います。JALモバイル powered by ahamoも、JALさんの事業としてオファーできていますし、ロイヤリティーユーザーの囲い込みに使えるサービスが増えたのはいいことです。

dカードやd払いをホワイトレーベルで提供できる

―― BaaS以外にもさまざまなサービスがありますが、あの中から自由に選んで組み合わせるようなイメージなのでしょうか。

廣井氏 品ぞろえはご相談次第だと思っています。提供商品として今あるのはBaaSだけですが、dカードもホワイトレーベルで提供できます。dカードが発行体になり、それぞれの会社の名前を冠してもいいと思っています。競争は厳しくなってくるとは思いますが、やはりどれだけ充実したサービスを持っているかになってくるのではないでしょうか。

―― JALにはマイルがあるので、dポイントまでは必要ないと思います。ポイントはなしのような形も可能なのでしょうか。

廣井氏 独自のロイヤリティープログラムを持っているところには、違うアプローチになると思います。JALさんの場合、マイレージで囲い込んでその中の品ぞろえとしてバンキングや通信をやりたいということなので、そこにdポイントは売れませんから、単機能での提供になります。

 ただ、そこまでのロイヤリティープログラムを持っている方は、あまりいません。そんなときにdポイントを使っていただければ、dポイントと金融をセットで(ユーザーに)売り込むことができます。dポイントが普及し、経済的な価値を生むようになったのは大きいですね。そうでないと、こんなポイントをもらってもしょうがないという反応になってしまいますから。

 いろいろな展開の仕方があると思っています。例えば独自ポイントを展開しているスーパーが、d払いを使って「○○払い」をやりつつ、ポイントをdポイントにするといったことで、囲い込みにつながると考えています。

取材を終えて:金融サービスを磨いた上で、ドコモとの連携を見据える

 自社でゼロから立ち上げた金融グループではないだけに、ドコモFGはドコモ色がやや薄め。通信との連携より、戦略として、まずは傘下の金融サービス同士を連携させていくことを重視している様子がうかがえた。ドコモの通信や料金とのシナジーを発揮するには、その次のステップになりそうだ。

 金融、決済サービスの足並みがそろっている半面、通信の付加価値的なサービスに見えてしまう他社に対し、ドコモFG傘下の企業はそれぞれに特徴があり、規模も大きい。

 各企業がバラバラで一体感がないようにも見えるが、それだけに、各社の施策がうまくかみ合ったときの化学反応が大きくなりそうな予感もある。特に、スマートライフプラットフォームは大きく伸びそうな印象も受けた。今後の展開にも、注目したい。

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