一方で、このアスペクト比が利点ばかりではないことは理解している。基本的なスペックや軽快な動作には文句の付けようがないが、物理的に「横幅が広い」ということは、それだけ片手での操作がしづらいということでもある。電車の中などで片手で開いて使おうとすると、手の小さな人にとっては少し不安定に感じるかもしれない。実際、ユーザーの間では薄型の背面リングアクセサリーを活用するのがトレンドのようだ。
また、コンテンツの表示においても弱点がある。XなどのSNSや、縦スクロールを前提としたWebブラウジングなどを行う場合、縦方向の表示領域が狭くなるため、一度に表示できる情報量がどうしても少ない。テキストを素早く追いたい場面では、スクロール回数が増えることにストレスを感じる人もいるだろう。
この縦スクロールについては、今後もアプリ開発者と協力して改善していくとのことで、最適化が進んでいく見通しだ。
とはいえ、片手操作のしづらさや、テキスト主体のアプリにおける情報量の減少といった細かな不満は、今の筆者にはあまり気にならない。
なぜなら、それらを補って余りあるほどの「新しいガジェットに触れる楽しさ」が勝っているからだ。長らく縦長のスマートフォンを使い続けてきた反動もあるだろう。新しいフォームファクタの画面を開くたびに、「次はどのように見えるだろう」と胸が躍る。
また、これまでの細長いサイズを継承する「Galaxy Z Fold8 Ultra」とどちらを選ぶか迷っている人もいるだろう。いずれも価格は約30万円近く、一般常識では考えられないほど高額だ。新品購入できる人は限られるだろう。もしGalaxy Z Fold8 Ultraのサイズが必須ではないなら、わくわくするデバイスを選んだ方がいいのではないか。筆者の場合、それはGalaxy Z Fold8が当てはまりそうだ。
さらに言えば、この4:3という比率には未来への期待も膨らむ。業界ではAppleから「iPhone Ultra」(仮称)という折りたたみのiPhoneが登場するのではないかといううわさも絶えない(サムスン電子が対抗馬としてGalaxy Z Fold8を市場に先んじて投入した理由でもあるだろう)。
もしそうした端末が登場すれば、アプリやコンテンツ側でも、この比率への最適化が一気に進むはず。そうなれば、Galaxy Z Fold8の魅力はさらに増していきそうだ。
まだ使い始めたばかりであり、長期間使っていくうちに見えてくる細かな不満点はあるかもしれない。しかし、現時点でお伝えしたいのは、とにかく触れていて楽しいスマートフォンであるということだ。もし店頭で見かける機会があれば、ぜひ一度、この4:3の新しい世界を開いて体験してみることをお勧めしたい。
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