KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり:石野純也のMobile Eye(2/2 ページ)

» 2026年10月03日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
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KDDIの混雑解消も実現か、プラチナバンド構築や5G基地局拡大が課題

 800MHz帯だけとはいえ、この周波数帯を単独で利用する楽天モバイルのユーザーが流れ込んでくることで、KDDIのネットワーク品質にも影響が出ていたようだ。ローミング終了後は、「auやUQ mobileのお客さまの品質向上のためにリソースを割り当てることにかじを切っていく」という。10月以降はこれまで通信が快適にできなかった場所での体感品質が、向上する可能性がある。

 エリアの補完では貸すが、容量対策には使われたくない。これが、KDDIのスタンスだ。松田氏が「市街地におけるインフラの品質で、フェアに競争するフェーズに入ってきた」と述べていたことも、これを裏づける。

 逆に、楽天モバイルはローミングで補っているエリアの自前化を早期に進めるだけでなく、都市部でのトラフィック対策にもこれまで以上に注力していく必要がある。9月30日に向けて徐々にローミングが縮小される過程で、一部のエリアでは以前よりつながりづらくなったとの声が増えてきた。9月30日のローミング終了はこれまで以上に範囲が広いため、トラフィックに応じたエリア設計の見直しが求められそうだ。

楽天モバイルローミング 総務省の公表している基地局数調査。1年前のものだが、5Gの基地局数は他社に比べて数では見劣りする。4Gの700MHz帯もほとんど使われていない

 とはいえ、楽天モバイルは4Gとして運用できる周波数帯が少なく、1.7GHz帯以外では、3MHz幅の狭帯域LTEとして使用する700MHzしか手札がない。エリアは拡大できたとしても、トラフィック対策には向かない周波数帯だ。また、1.7GHz帯とのキャリアアグリゲーションもできないため、単純に3MHz幅を合算することができず、運用のハードルは高まる。

 正攻法は、やはり5Gの基地局を増やしていくことだろう。総務省が1月公開した、2025年3月末時点での調査結果によると、楽天モバイルの5G基地局数は3.7GHz帯で1万9621局になる。この周波数帯だけを単独で見るとドコモやソフトバンクよりも数は多いが、5G全体では3倍に近い開きがある。5Gを単独で利用する5G SAも提供できていない。楽天モバイルは、2026年度に2000億円の設備投資を行い、品質改善を行う構えだが、基地局建設のペースをどこまで上げていけるかが鍵になりそうだ。

楽天モバイルローミング 2000億円の設備投資を計画している。伸びが大きくなる第4四半期にどこまで構築できるかが鍵になりそうだ
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