できることが大きく広がったSiri AIだが、むやみやたらにアプリからデータを取っているのではない。アプリ側は、データがインデックス化の対象になるよう、Spotlight検索に対応しなければならない他、アクションの意図をSiri AI側に理解してもらうためのApp Intentsを定義しておく必要がある。
これに非対応だと、Siri AI側からデータを取ってくることができず、アプリの操作も行えない。実際、筆者のiPhone Airでは、仕事用のメールをメールアプリで、プライベート用のメールやメルマガなどをGmailアプリで受信しているが、後者については、検索対象に含まれておらず、メールの作成もできなかった。
使い分けているメールアプリの中に非対応のアプリが含まれていると、横断的な検索から、一部の情報が欠けてしまうというわけだ。筆者の場合、プライベートなメールでのやりとりや、メルマガに基づいた内容はいくらSiri AIに聞いても答えが返ってこなかった。また、Gmailでメールを送ってといった指示も守られず、メールアプリが立ち上がってしまう。
同様に、上記でメッセージを送信できたMessengerも、その内容を調べることはできなかった。非対応のアプリが明示されていないため、Siri AIに何ができて、何ができないのかを探っていかなければならないのは、少々手間がかかる。非対応だったときに、その旨を案内してくれないのは不親切。デモではできることが見せられるため、あたかも万能なように見えるが、全ての操作を肩代わりできるわけではない。
また、ここまで高度になった一方で、結果を読み上げる際に漢字の読み間違えがあったり、アクセントがおかしかったりする点があるのは気になった。聞き取りやすさを重視しているのか、速度も遅く、結果は画面で見た方が早い。英語圏では、iPhone 17 ProやiPhone Airでは、より表現力のあるSiriに対応しているが、日本語は非対応。いつ対応するかも、明確にはなっていない。
Apple Intelligenceは、オンデバイスとクラウドの組み合わせで提供されるため、検索に時間がかかることもあった。音声の品質や全体的な速度向上は、今後の課題といえる。一方で、ここまでスムーズかつ横断的にタスクをこなせるスマホのAIエージェントは、他に見当たらない。GoogleもAndroidにGeminiを統合しているものの、連携するアプリはまだまだ限定的。アプリに散らばった情報をまとめて検索するといったこともできない。
しかもGoogleの場合、GeminiがGoogleアカウントにひも付いていることもあり、仕事用とプライベート用でアカウントを分けていると、両者が別々に動いてしまう。対するSiri AIはデバイス側でデータを集約しているため、こうした問題が起こりづらい。AIに出遅れているといわれていたAppleだが、Apple Intelligenceを刷新したSiri AIが広がれば、その汚名を返上できそうだ。
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