ここからはiPhone Duoと比較していく。iPhone Duoは、閉じた状態で5.4型、開くと7.6型の画面を使える折りたたみスマートフォンだ。開いた状態の厚さは5.2mm、重量は254gで、iPad mini(Wi-Fiモデル)の5.4mm、255gとほぼ同じだ。Wi-Fi + Cellularモデル(263g)と比べても、差は9gにとどまる。
ただ、外形は異なる。開いたiPhone Duoは164.6×117.8mmで、面積はiPad mini(195.3×132.6mm)の約75%だ。画面も、iPad miniの8.5型(縦横比約1.53:1)に対し、iPhone Duoの内側画面は7.6型(同約1.42:1)で、表示面積はiPad miniの約8割となる。重さと厚さは同等でも、手に持ったときの大きさと画面の広さは一回り違うと考えた方がよいだろう。
iPhone Duoの内側画面は1878×2670ピクセル(430ppi)で、ProMotionによる最大120Hzのリフレッシュレートに対応する。輝度は標準で最大1000ニト、HDRピークで1600ニト、屋外ピークで3000ニトだ。精細さ、表示の滑らかさ、明るさのいずれも、iPad mini(326ppi、SDR最大600ニト、HDRピーク1200ニト)を上回る。外側にも5.4型の画面を備え、閉じたまま通常のスマートフォンとして使える点も大きな違いだ。
一方で、ディスプレイの大きさではiPad miniに分がある。電子書籍や動画など、表示面積の広さが効く用途ではiPad miniの方が有利だろう。
iPhone Duoは全モデルが6コアCPU(高性能コア2基+高効率コア4基)、7コアGPU、デュアル16コアNeural Engineという構成だ。iPad miniでこれと同じ構成になるのは512GBモデルだけで、128GB/256GBモデルはCPUが1コア少なく、Neural Engineも1基となる。
また、メモリ容量は両機種とも公表されていない。同じ名前のチップを搭載していても、構成やメモリ、本体の放熱設計によって処理性能は変わり得るため、「チップが同じだから性能も同じ」とは言い切れない。
カメラの仕様差は大きい。iPhone Duoの背面は4800万画素のFusionメインカメラ(F1.6、センサーシフト光学式手ブレ補正)と4800万画素のFusion超広角カメラ(F2.2)のデュアル構成で、メインカメラを使った2倍望遠(1200万画素)にも対応する。前面には外側画面用の1200万画素カメラと、内側画面の下に配置した画面下カメラを備える。iPad miniは背面が1200万画素広角カメラ1基で、写真撮影を重視するならiPhone Duoを選ぶことになるだろう。
ペン入力はiPad miniの強みだ。iPad miniはApple Pencil ProとApple Pencil(USB Type-C)に対応するのに対し、iPhone DuoはApple Pencil(USB Type-C)のみで、それも年内の対応予定となっている。手書きのメモやイラストを重視するなら、現時点ではiPad miniが確実だ。
iPad miniは、Apple Pencil ProとApple Pencil(USB Type-C)に対応。iPhone Duoは年内にApple Pencil(USB Type-C)の対応が予定されているその他の違いも整理しておく。iPhone Duoはスマートフォンなので単体で音声通話ができるが、iPad miniはWi-Fi+Cellularモデルでもモバイルデータ通信が中心で、音声通話はiPhoneとの連携機能を使う形になる。防水・防塵はiPhone DuoがIP68(水深6mで最大30分)、iPad miniがIP67(水深1mで最大30分)だ。
充電はiPhone DuoがMagSafeとQi2による最大25Wのワイヤレス充電に対応し、iPad miniは有線のみだ。ストレージはiPad miniが128GB〜512GB、iPhone Duoが256GB〜2TBとなる。なお、バッテリー駆動時間は、iPad miniがWebブラウズやビデオ再生で最大10時間、iPhone Duoがビデオ再生で最大31時間(内側画面使用時)などと公表されているが、測定条件が異なるため単純には比較できない。
iPhone Duoの価格は、256GBが36万4800円、512GBが39万9800円、1TBが46万9800円、2TBが57万4800円だ。最小構成同士で比べると、iPad mini(Wi-Fi 128GB)の11万9800円に対し、24万5000円もの差がある。
512GBモデル同士(標準ガラス同士)で条件をそろえて比べても、iPad mini(Wi-Fi+Cellular 512GB)の19万6800円に対して、iPhone Duoは20万3000円高い。
iPad mini(A20 Pro)は、有機ELディスプレイとIP67の防水・防塵に対応し、先代から38g軽くなった。小型タブレットとしての基本的な部分は、先代から順当に強化された。
電子書籍や動画を8型級の画面で見たい人、Apple Pencilで手書きのメモやイラストを描きたい人、既にスマートフォンを持っていて2台目の端末を探している人には、有力な選択肢となるモデルだ。
ただし、気になる点もある。リフレッシュレートは60Hzとみられ、120Hz表示には対応しない。また、128GB/256GBモデルはCPUが5コアで、6コアの512GBモデルとは構成が異なる。価格も先代の最終価格から2万円上がっており、11万9800円という価格を小型タブレットにどこまで出せるかは人によって判断が分かれるところだ。
一方のiPhone Duoは、スマートフォンとタブレットを1台にまとめたい人、カメラ性能も重視する人、大きな画面を常に持ち歩きたい人に向いている。ただ、36万4800円からという価格は簡単に払える額ではない。iPad mini(Wi-Fi 128GB、11万9800円)とiPhone 17(256GB、15万9800円)を組み合わせても27万9600円で、iPhone Duo(256GB)より8万5200円安い。
重さはほぼ同じで、プロセッサも同じA20 Proだが、2つの製品が想定している使い方は異なる。スマートフォンの買い替えを兼ねるならiPhone Duo、スマートフォンはそのままで読書や手書きを足すならiPad mini、という分け方になる。1台にまとめる身軽さを取るか、役割を分けてコストを抑えるか。予算と用途に合わせて選んでほしい。
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