不況のあおりで携帯電話の売り上げは減少しているが、スマートフォン販売は大きく伸びている。米調査会社Gartnerがこのような調査結果を公表した。
同社の調査では、第2四半期の世界の携帯電話販売は2億8610万台で、前年同期から6.1%減少した。その一方でスマートフォン販売台数は、27%増えて4000万台を超えた。
「通常なら標準的なミッドレンジ端末を購入するような人が、節約のために安価な端末を購入するか、高機能を求めてハイエンド端末を購入している。依然としてタッチスクリーンとQWERTYキーボードが買い換え需要をけん引している」とGartnerは述べている。
携帯電話市場全体ではNokiaが首位を維持したが、同社の製品ポートフォリオは依然としてローエンド寄りで、6月に登場したスマートフォン販売N97の売り上げはわずか50万台という。これに対してAppleのiPhone 3GSは発売から1週間で100万台売れた。
2位のSamsungはタッチスクリーンとQWERTYキーボードを搭載したデバイスが好調で、3位のLGもシェアを伸ばしている。4位のMotorolaは出荷台数もシェアもほぼ半減しているが、同社が第4四半期に投入予定のAndroid携帯に期待が集まっている。5位のSony Ericssonは販売台数を41%落としており、Gartnerは同社がQWERTYキーボードやメッセージング機能、ネット接続などのトレンドをつかめていないと指摘している。
社名 | 2Q09販売台数 | 2Q09市場シェア(%) | 2Q08販売台数 | 2Q08市場シェア(%) |
---|---|---|---|---|
Nokia | 105,413.3 | 36.8 | 120,353.3 | 39.5 |
Samsung | 55,430.2 | 19.3 | 46,376.0 | 15.2 |
LG | 30,497.0 | 10.7 | 26,698.9 | 8.8 |
Motorola | 15,947.8 | 5.6 | 30,371.8 | 10.0 |
Sony Ericsson | 13,574.2 | 4.7 | 22,951.7 | 7.5 |
その他 | 65,260.2 | 23.0 | 57,970.6 | 19.0 |
合計 | 286,122.7 | 100 | 304,722.3 | 100 |
(資料:Gartner) |
スマートフォン市場でも首位はNokiaだったが、シェアはわずかに減少している。2位はBlackBerryのResearch In Motion(RIM)。3位のAppleは販売台数が約6倍になり、シェアは2.8%から13.3%へと大きく伸びた。iPhoneの販売地域の拡大と、iPhone 3Gの値下げが奏功したとGartnerはみている。4位はWindows Mobile携帯やAndroid携帯を提供するHTCで、5位は富士通だった。
社名 | 2Q09販売台数 | 2Q09市場シェア(%) | 2Q08販売台数 | 2Q08市場シェア(%) |
---|---|---|---|---|
Nokia | 18,441.0 | 45.0 | 15,297.9 | 47.4 |
Research In Motion | 7,678.9 | 18.7 | 5,594.2 | 17.3 |
Apple | 5,434.7 | 13.3 | 892.5 | 2.8 |
HTC | 2,471.0 | 6.0 | 1,330.8 | 4.1 |
富士通 | 1,249.0 | 3.0 | 1,071.5 | 3.3 |
その他 | 5,688.2 | 13.9 | 8,085.8 | 25.1 |
合計 | 40,962.8 | 100.0 | 32,272.7 | 100.0 |
(資料:Gartner) |
Gartnerは2009年下半期に競争が激化すると予測している。携帯キャリアが奨励金付きで電子書籍リーダーやNetbookを販売するようになっていることから、携帯電話やスマートフォンへの奨励金が減り、キャリアは端末メーカーに値下げを求めるだろうと同社は述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR