米調査会社comScoreの報告によると、米Facebookの米国におけるトラフィックは過去1年間で55%増加し、訪問者数は9737万人から1億5113万人に増えた。
メッセージングプラットフォームの刷新とも相まって、Facebookのかつてない人気の高まりは、ビジネスツールとしての魅力につながるのだろうか。既に多数の企業がネットでのプレゼンス強化にFacebookを利用しているが、日々の仕事に同社のツールを使っている企業はそれよりも少ない。
Facebookの新しいメッセージングプラットフォームには、「View on Office.com」オプションが追加された。この機能により、ユーザーはFacebook上でMicrosoftのWord、Excel、PowerPointの文書を表示できる。それだけでなく、これらの文書をHDDにダウンロードし、自分のPCで編集することも可能だ。
MicrosoftでOffice担当副社長を務める沼本健氏は、11月15日付の「Microsoft Office Blog」への投稿で次のように語っている。「Facebookの新たなメッセージングプラットフォームはOffice Web Appsと統合されており、ユーザーはMicrosoft Word、Excel、PowerPointの文書を1クリックで表示できる。ユーザーはFacebook上で、友達や家族とアイデアを簡単に共有できるようになった」
Microsoftは確かに、同社のプロダクティビティ製品にソーシャルネットワーキングの機能を盛り込む方向に進んでいる。近く同社を離れることになっているチーフソフトウェアアーキテクトのレイ・オジー氏は2009年10月に、Microsoftが企業向けのソーシャルなプラットフォームおよびアプリケーションを開発すると示唆した。同氏の取り組みの1つであるFuture Social Experiences(FUSE)ラボは、Microsoft Researchおよびその関連組織が開発するソーシャルネットワーキングサービスの活用を支援する目的で立ち上げられた。
同氏は2009年10月のメモにこう記している。「FUSEは、当社の現在の使命、組織、速度、リスクによってわれわれが重要な兆候や機会を損なわないよう、能力を提供する領域を優先させる」
MicrosoftとFacebookは、それぞれ米Googleと競合するところがある。「Facebook Messages」は独自のチャットとボイスメール機能を搭載しており、Gmailに真っ向から対抗しているようだ。一方Microsoftは、2011年に公開予定の「Office 365」をはじめとするクラウドベースの取り組みを通じ、「Google Apps」がもたらす脅威に反撃する構えだ。
Googleもためらうことなく反撃する。同社は10月に米連邦政府を相手に訴訟を起こした。内務省のメールおよびメッセージングシステムのアップデートにかかわる入札で、Microsoftの「Business Productivity Online Suite(BPOS) Federal」が不当に優遇されたとGoogleは主張している。Office 365はBPOSの名称を変更し、「Microsoft Office」「SharePoint Online」「Exchange Online」「Lync Online」と組み合わせてクラウドプラットフォームに統合したものだ。
だが、Officeのクラウドツールとの互換性が高くなったからといって、クラウドを検討している企業がFacebook Messagesを中心的な、あるいは二次的なプラットフォームとして利用したいと思うだろうか?
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