ターミネーターシリーズで描かれるコンピュータ対人間の戦争において、人間側はジョン・コナー率いる反乱軍だが、コンピュータ側は「スカイネット」と呼ばれるコンピュータの総体である。
このスカイネットはT-800の残骸から回収したチップを基に開発されたとされる(その後のシリーズでは若干異なる設定のものもある)。つまり、未来からやってきたチップを解析して技術的特異点(シンギュラリティ)を超えるコンピュータを作り出したということなのだ。技術的特異点については第17回の「BEATLESS」の回でも取り上げているので確認してみてもらいたい。
さて、果たして技術的特異点に到達したコンピュータを人間は止めることはできないのか?
同じようなネタはやはりSF映画の名作「マトリックス」シリーズでも見られる。マトリックスでは最終的に人間側代表のネオとコンピュータが和解する形で結末したが、ジョン・コナーはあくまでスカイネットの破壊にこだわっている。
その方針が正しいのかどうか、筆者は若干疑問である。もしかするとマトリックスでのネオのように、自我を持ったコンピュータと和解する余地はないのだろうか。
いかがだっただろうか。
かなりテレビでの再放送が繰り返されている本作だが、若い諸君は元ネタを見たことがなかったりするかもしれない。「溶鉱炉に沈んでいく」ネタだけを知っている諸君は、この機会に見てみると良いだろう。
また、11月8日には「ターミネーター2」の続編、「ターミネーター:ニュー・フェイト」が劇場公開される。こちらにもさまざまな認証ネタが登場することを期待している。楽しみにしておこう。
さて次回だが、あの世界的大泥棒「ルパン三世」に焦点を当てて、認証との関わりを見ていこうと思う。最新作「PART 5」はかなり現代のITネタを取り入れているようだが……?
お楽しみに。それでは本日の講義はここまで!
朽木 海 (ライター、編集者、γ-Reverse代表)
ゲーム会社や出版社などの「IPが欲しい会社」と、ライトノベル作家や脚本家、漫画家などの「IPを作りたいフリーランス」を繋げるためのプロジェクト「γ-Reverse」の代表。引き続きライター業や編集者業も行っています。
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