大阪・関西万博がきのう10月13日に閉幕した。最終日の会場は大盛り上がりだったようだ。
ドイツ館のマスコット「サーキュラーちゃん」が、モチまきのように大量にまかれたり、各国ブースがDJで夜まで盛り上げたり、コブクロがステージに立ち、テーマソングを歌ったり、夜のドローンショーの最後に“巨大ミャクミャク”が現れたり……Xには最終日の熱狂を伝える動画が大量にアップされている。
関西に住む母によると、きのう関西のテレビ局は一日中、万博最終日の様子を伝え続けていたらしい。地元に愛されたイベントだった。
筆者は東京在住だが、実家を拠点に計6回、万博に行った。うち3回は小さな子ども連れだったが、行くたびに楽しく、行けば行くほど「また行きたい」と思えた。
逆に言えば、何度行っても回りきれないほど広大だったし、いつも混んでいた。4月、5月、8月、9月に行き、後になるほど混雑していったのだが、人気パビリオンは4月から行列が目立ち、小さい子連れだったり時間に限りがあったりすると、諦めざるを得なかった。
この条件、遠方から一度しか来られない人にはさらに過酷だ。8月後半から9月にかけ、関東から訪れた友人が3人いたので、それぞれ感想を聞いたところ、全員があまり良い思い出を持っていなかった。
かなり事前から計画していた友人でも、「混みすぎていて、希望のパビリオンに入れなかった」と不満顔。子連れで9月に行った友人は「入場ゲートで1時間以上待ち、ようやく入れたと思ったら、子どもが疲れ切ってすぐ出た」と悔しがっていた。
入場予約のないチケット、いわゆる“死に券”を持っていた友人は、10月に訪れ、早朝4時半から当日券の引き換えに並んだという。12時にようやく入場できたが、大混雑だったため大屋根リングを1周しただけで帰ったそうだ。
会場は広く、迷いやすい構造だ。ディズニーランドなどと違って、パビリオンごとの待ち時間を集約・表示する公式アプリなどもなく、希望のパビリオンにどれぐらい並んでいるかは、行ってみないと分からない。混めば混むほど、1回きりの来場者に厳しいイベントになってしまった。
ただ、何度も通えた人にとっては、行けば引くほど好きになる、混雑していても楽しみ方を見つけられる、奥の深いイベントだった。
結果的に、「何度も行けた地元の人は満足し、1回きりの遠方の人は不満」な場になってしまったが、「地元に嫌われ、遠方の1回きりの人に好かれる」よりは、まだマシだった、かな……。
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