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» 2004年01月22日 22時24分 公開

PCの出荷台数は伸びるが出荷金額は依然として減少

回復基調にある電子工業で、唯一厳しい状況のPC分野。2003年の出荷実績は3年ぶりのプラスとなる見込みだが、肝心の出荷金額は「価格競争による低価格化」のダメージが大きく響いている。

[長浜和也,ITmedia]

 電子情報技術産業協会(JEITA)は、日本における2003年度第3四半期のPC出荷実績を1月22日に発表した。総出荷台数は272万2000台と前年同期比107%のプラスとなったが、総出荷金額は3944億円とこちらは前年同期比94%のマイナスとなった。

四半期単位の国内出荷台数推移。国内出荷台数は250万7000台で前年同期比105%
四半期単位の国内出荷金額推移。こちらは3656億円で前年同期比92%

 今回は2003年(暦年)の出荷実績も合わせて発表されたが、こちらも傾向は同じで総出荷台数は1126万6000台の前年比106%と3年ぶりのプラスとなったが、総出荷金額は1兆7067億円の前年比96%と2002年(暦年)に引き続きマイナス成長。

 ペースは第2四半期と比べてやや下がったものの、業績が回復基調にあってリプレース需要が好調な企業向け出荷に加えて、TV録画やDVD再生利用が増えているコンシューマー需要も貢献し、ひきつづいて出荷台数は伸びている。

 第3四半期におけるテスクトップPCとノートPCの出荷台数構成はノートPCが135万5000台にデスクトップPCが115万2000台。ノートPCの比率は54%と横ばいで推移。暦年で見てもノートPCが581万台にデスクトップPCが475万2000台とほぼ同じ傾向。ノートPCの需要が強いものの「コンシューマーではデスクトップPCのほうが強い」とJEITAでは分析している。前年度比で見てもノートPCの104%にたいして、デスクトップPCは107%と高い伸びを示している。

 出荷台数が伸びながら金額ベースで減少した最大の原因が「単価の下落」。第2四半期の平均単価と比べて、ノートPCは1万円減の15万2000円。デスクトップPCは4000円減の12万8000円。サーバも含めた全体平均では「統計を取り始めた1978年以来最低となる」(JEITA)14万6000円となった。

四半期単位の製品単価推移

 JEITAは第4四半期を含めた2003年度の出荷予測も明らかにしているが、当初1020万台(前年度比104%)と予想していたのを1070万台(同109%)と上方修正した。この理由についてJEITAは「コンシューマーの需要が予想よりも好調だった」と説明。「地上波デジタル放送開始の影響で、PCの売り上げが液晶テレビにくわれ、第3四半期はもっと悪い結果になると思っていたが、予想以上にPCの出荷がよかった」(JEITA)

 「2004年度における出荷見通しは、まだなにも持っていない」とJEITAは述べているが、それでも企業向けは本格化するWindows 98搭載PCのリプレースや「IT投資促進税制」「IT活用型経営革新モデル事業」の活用によって引き続き成長し、コンシューマーでも小中高校生の1人1台需要やリサイクル体制の整備によるリプレース需要などで、こちらも成長するとJEITAでは見ている。

 また、最近業績を拡大している中古PC市場の影響については「現状を調査中」としながらも「今年は85万台程度の規模、来年は100万台ぐらいになるのでは」という見通しを明らかにした。「中上級者がセカンドPCとして購入するのがほとんどだが、最近は初級者が体験用として中古PCを選択するケースも出てきている。新規PCでは対応できないニーズを中古PCが補完している一面もある。ただし、保守やサポートのサービスを含めて考えると、ユーザーの満足度は新規PCの半分程度では」(JEITA)

 なお、今回発表された統計は「出荷実績自主統計参加会社」である18社のデータで作成されている。主要なPCベンダーのほとんどが参加しているものの、デルなどの一部外資系直販ベンダーの実績は反映されていない。これについてJEITAは「国内出荷実績の9割はカバーできているので、実態に則した統計データと考えていい」との見解を示した。

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