Lシリーズの他の2機種と異なるL70G/Fの一番の特徴は、無線LANアクセスポイント機能を備えたホームサーバカードを搭載している点だ。
このカードは、有線LANインタフェースを装備したIEEE802.11b/g準拠無線LANアクセスポイントをPCIカードサイズにまとめたもので、基本的にはPC本体から独立して動作するようだ(L70G/FはLANカードとして認識する)。
ホームサーバカードにはWANとLANの2基のRJ-45コネクタが用意されており、家庭内の他のPCはこのカードと有線/無線LAN接続することでインターネットにアクセスできるようになる(推奨接続台数は10台以下)。
ちなみに、L70G/Fは他の2機種と共通のハードウェアを使っているため本体にもLANポートはあるが、シールで目張りされ、BIOSで無効に設定されている(有効にすれば使える旨マニュアルに記載されている)。
ホームサーバカードは当然のことながら、PPPoEによるユーザー認証とNAT/IPマスカレードによる複数マシンからの同時アクセスに対応している。また、付属のファミリーネットワークウェアを使って家族のスケジュールを個別に管理したり、他の家族に伝言メモを残せるほか、L70G/Fに蓄積した映像や楽曲を有線/無線等LAN接続した他のPCで視聴・再生することも可能だ。
なお、ホームサーバカードはあくまでも無線LANアクセスポイントなので、L70G/Fから他のアクセスポイントには接続できない点には注意しておこう。
L70G/Fのベンチマークテスト結果は以下の通りだ。
PCMark04のPCMarkスコア
PCMark04のCPUスコア
PCMark04のメモリスコア
PCMark04のグラフィックスコア
PCMark04のHDDスコア
3DMark2001SEの3Dスコア
3DMark03の3Dスコア
ハイパースレッディング・テクノロジ対応Pentium4/2.80C GHzやPC2700対応デュアルチャンネルDDR SDRAM、Ultra ATA/100接続の7200rpm HDDを使用しているため、CPU、メモリ、HDDは高いスコアをマークしている。
その反面、チップセット内蔵のグラフィックス機能を使用しているため、グラフィック、とくに3Dグラフィックはかなり低い結果しか出ていない。チップセットのグラフィックコアはハードウェアT&Lを搭載していないため、最新のゲームはもとより、DirectX 7クラスの3Dゲームでも快適な高速表示は厳しいと思った方がよいだろう。
なお、L70G/FをホームサーバPCとして活用するためには、可能な限り常時稼動させておくことが必要となるが、自室で使うマシンとしては動作音がやや大きい。夜間や眠ろうと寝床に入っている時などには音が気になるかもしれない。
家庭へのパソコンの導入状況は、一家に1台から一人1台になりつつある。だが、現実問題として、複数台のパソコンやネットワークを管理・運用できるだけの知識を持った人が各家庭に必ずしもいるとは限らない。
自室の机の上に置いて使うのに最適なサイズで、ネットワークの設定なども簡単に行えるL70G/Fは、このようなニーズにマッチした製品だろう。
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