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» 2004年06月01日 20時58分 公開

Socket-939対応CPUで始まるAMD64の「第2章」今週はCOMPUTEX TAIPEI 2004で右往左往した

新しいSocket-939対応のCPUは「過去と互換性のないピンの数」に注目が集まりがち。たしかに従来のAthlon 64マザーで使えないのは「懐に痛い」が、Athlon 64でデュアルメモリバスが使えるようになりPCI-Expressにも対応するなど、機能的にはまったく新しいプラットフォームといってもいいかもしれない。

[長浜和也,ITmedia]

 AMDは、6月1日に新しいCPUプラットフォームのAthlon 64を発表。同じ日に始まったCOMPUTEX TAIPEI 2004では大規模なローンチイベントを開催し、新しいプラットフォームの性能をアピールした。

 今回発表されたCPUは、上位バージョンの「Athlon 64 FX-53」に「Athlon 64 3800+」「Athlon 64 3700+」「Athlon 64 3500+」の4種類。このうち、Athlon 64 3700+は従来の754ピンだが、ほかのCPUは、939ピンを採用した新しいプラットフォームとして登場している。これらのCPUは、ピンの数と動作クロックの向上もさることながら、サポートする機能的にも従来のAthlon 64 FX/Athlon 64とは一線を画するものだ。

 Athlon 64はメモリコントローラなど、これまでチップセットが行ってきた機能がCPU内部に組み込まれているが、939ピンのAthlon 64はこの部分に大幅な変更が施されている。これまでPentium 4対応プラットフォームと比べて見劣りしていたシングルチャネルのメモリバスは、Intel 875P/865ファミリーやAthlon XP対応のnForce2と同じデュアルバスに対応、最大帯域6.4Gバイト/秒を実現した。

 ただし、従来1MバイトあったL2キャッシュは512Kバイトに削減。その代わりにインタフェースハブであるサウスブリッジと接続するバスで採用されているHyperTransportについて、従来の動作クロック1.6GHz、最大帯域6.4Gバイト/秒から、動作クロックを2GHzにアップさせ、4Xにおける最大帯域幅は8.0Gバイト/秒に向上している。

Socket-939対応Athlon 64 FX/Athlon 64で採用されたデュアルメモリバスと高速になったHyperTransport。Athlon 64 FXプラットフォームでデュアルメモリバスを利用する場合、高価なRegistered対応メモリが必須だったが、Socket-939対応Athlon 64ではUnbufferedのメモリでもデュアルチャネルが利用できるようになった
3DMark03やAquaMark3、QuakeIII Arena、Splinter Cellなどのゲームベンチで今回登場した4種類のCPUを比較したグラフ。薄い緑がAthlon 64ファミリーで、一番上の濃い緑がAthlon 64 FX-53の値。新Athlon 64の概要を説明したサム・ローガン氏(アジアパシフィック マーケティングディレクター)は「FXは(ノーマルのAthlon 64と比べて)パフォーマンスが10%向上している」とAthlon 64 FX-53の実力をとくに強調していた
同様に、WinstoneやSYSmark2004 Internet Content Creationなどエンコード系処理のパフォーマンスを比較したグラフ

 さらに、このような動作クロックや転送レートといった処理能力に関する性能向上だけでなく、Socket-939対応のAthlon 64 FX/Athlon 64では、ウィルスに対する防御機能も用意された。今年の2月に発表されたAMDが「EVP」(Enhanced Virus Protection)と呼ぶ機能は、近々登場する予定のWindows XP SP2とAMD64対応CPU(今回発表されただけでなく、従来のAMD64CPUも対応可能)を組み合わせることで、ウィルスの攻撃からデータを保護してくれる。AMDは、32ビットコンピューティングだけでなく、64ビットコンピューティングでもEVPは機能すると説明している。

 今回行われたSocket-939対応Athlonのローンチイベントは、COMPUTEX TAIPEI 2004の初日に行われたこともあって、製品の紹介以上にキーノートスピーチ的なセレモニーの要素も重視されていた。そのため、ステージにはAMD幹部だけでなく主要なパートナー企業の代表も登場し、AMD64による64ビットコンピューティングへの期待を述べた。

AMDからはエンリー・リチャード氏(ワールドワイドセールス&マーケット担当上級副社長)とディック・メイヤー氏(コンピュテーションプロダクトグループ担当副社長)が登場。リチャード氏は「AMDはカスタマーとともに技術と市場を成長させていく」と従来どおりの「顧客とともに歩んでいくAMD」をアピールした
ASUSTekのジェイソン・チェン氏(R&D担当副社長)は「64ビットコンピューティングが“デジタルホーム”を発展させ、ユーザーがもっと楽しめる世界が実現するだろう」と、ホームユースにおける64ビットコンピューティングへの期待を語った
MSIのラリー・ウー氏(セールス担当副社長)も登場。「AMDとMSIはとても強いパートナーシップを築いている。パートナーシップは“どんどん”近づくことで“ますます”強くなる」と両者の強力な協力関係をアピールした

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