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» 2004年07月27日 18時53分 公開

ケータイ動画ってどうなってるの?わかりたい人のための動画エンコード講座(1/2 ページ)

今回はいわゆるケータイ動画のお話。私の周囲を見ると、それほど使われているようでもなさそうなのだが……とりあえず、現状のまとめと簡単な注意事項を。

[姉歯康,ITmedia]

同じMPEG-4ではあるのだが……

 ケータイ動画も、ここに来てようやくMPEG-4に終息した感がある。特定の企業のフォーマットではなく、「標準」が採用されて良かった!……と思いたいのだが、そんなに簡単な話でもない。すべてに互換性があるわけでもなく、ファイルフォーマットは同じでも音声コーデックが違うために再生できなかったり、逆にコーデックは同じなのに、ちょっとしたフォーマットの違いで再生できなかったり、あるいは、同じキャリア内でも機種の違いによって再生できなかったり、上限のファイル容量によってダメだったり……。とにかく、いろいろな要素がある。これらを一旦、整理してみよう。

NTTドコモ(FOMA)のiモーションは3GP

 かつてはWindows MediaのASFファイルを採用していたNTTドコモだが、現在のiモーションメールでは、MPEG-4ファイルフォーマットを元にした3GP形式が扱われている。基本的に15フレーム/秒までということになっている。

 パソコンの動画をFOMAユーザーに送る場合には、QuickTimeを使って3GP形式に書き出し、どこかのサイトにそのムービーを置き、そこへのリンクのアドレスをメールに記述して送ることになる。ケータイ側からiモーションメールとして送る場合には最大100Kバイト。

KDDI(AU)のEZムービーは3G2

 以前はKDDI独自のAMCフォーマットが使われていたが、現行機種では3GPP2(3G2)形式が使われている。この3G2、基本的には3GPと同じなのだが、ムービーを分割してダウンロードするための断片化機能というヤツがついている。

 しかしながら、いくら「現行機種では3G2」といったところで、昔のAU機を使っている人は3G2を再生することができない。だから未だにAMCは生き続けている。3G2もAMCも、やはりQuickTimeで書き出すことができる。以前はKDDIが独自のAMCオーサリングツールを無料配布していたが、今はQuickTimeにおまかせ、ということのようだ。

ボーダフォンは「3GP準拠のMP4」

 ボーダフォンは、以前は過去、Nancy形式を採用してきた。が、昨年から3GPについても採用するようになった。特にVGS(Vodafone Global Stand)というボーダフォンの国際ルールではNancyではなく3GPが扱われている。このVGSに則った機種では映像部分のコーデックとしてMPEG-4とH.263のいずれかを扱うことができる(普通はMPEG-4を使うだろうが……)。フレームレートは最大15FPS、ビットレートが最大64Kbpsとなっている。音声としてはAMRが使われる。基本的にはNTTドコモ向けの3GPも再生できるようになっている。

 なお、着うたのサービスではMP3やAACを使った3GP/MP4が使われている。

MPEG-4系ケータイ動画フォーマットの種類
キャリア名NTTドコモKDDIボーダフォン(VGS)
フォーマット3GP3G2AMC(オリジナル)3GP(ベースはMP4)
ビデオコーデックMPEG-4MPEG-4MPEG-4MPEG-4
H.263H.263H.263
オーディオコーデックAACAACMP3AMR
AMRAMRQCELP
備考・EZムービーLightは96×80ピクセルまで・現在は推奨していないが、着うたなどでは相変わらずメインのフォーマット・着うたではMP3、AACを扱ったMP4も採用、・Nancy、ASFなど、機種により他フォーマットもサポート

設定のポイントは? それぞれの端末に合わせること……

 というワケで、この3つのキャリアのケータイ動画はかなり「近い」仕様となったわけだ。特に最近のボーダフォン端末ではFOMA用の3GPムービーも読める。しかしながら、古い機種には「NancyはOKでも3GPは見られない」というものもある。だから、そう簡単にみんながハッピーになれる、というワケでもないのだ。

 さらに、フレームレートやら画面サイズやらビットレートやらをどう設定すればよいか、という話については、「お持ちの端末に依存します」と答えるしかない。たとえば画像サイズとしては、128×96ピクセルを選んでおけばたいていの機種で再生できるが、176×144ピクセルがサポートされていない機種というものも、当然ある。こういった項目については、きちんとデバイス毎に調べるか、各キャリアの対応表とにらめっこしなければならない。

 さらに、音声の大きさなども機種によって別々だから、「ちょうどいいボリューム」というものが存在しない。だからケータイ用のコンテンツプロバイダーは、機種毎にケータイ用のムービーをエンコードするという作業が必要になるし、だからこういうソフトも登場するのだ。

決めてはズバリ「トリミング」

 では、機種毎の設定は別として、パソコン上でケータイ向けにエンコードする際、「必ず効く」という項目はないだろうか?

 一つあるとすれば、トリミングだ。320×240ピクセルや640×480ピクセルで再生した時に気にならなかった映像でも、ケータイ用にエンコードしてみるとガッカリすることが多い。見せたかったモノが豆粒ほどの大きさになってしまい、何が何だかわからなくなってしまうのだ。この際、背景の細かい部分は取っ払ってしまって、思いっきり「そのモノ」だけをエンコードしてしまおう。

 例えばこの例を見てほしい。640×480ピクセルのムービーを元に、そのまま3GPに圧縮したもの「A」、320×240ピクセルにトリミングしてから全く同じ設定で圧縮したもの「B」である。

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