LongRun2に望みをかけるTransmeta

» 2004年08月24日 15時22分 公開
[IDG Japan]
IDG

 IntelとAMDが省電力モバイルプロセッサの投入を続ける一方で、Transmetaは今後事業のフォーカスをプロセッサの提供から自社技術のライセンシングへと移行せざるを得ない見通しに直面している。

 AMDが先週、コードネームで「Oakville」と呼ばれる90ナノメートル版のMobile Athlon 64プロセッサの出荷をPCメーカー向けに開始したことも、Transmetaにとってはさらなるプレッシャーの要因だ。同プロセッサを搭載するシステムは向こう数カ月以内に登場する見通し。

 Transmetaは創業4年になるが、その間に5億9100万ドルの損失を計上し、一方ではライバルのIntelが業界全体の省電力モバイルプロセッサへの流れに乗って利益を享受するのを目の当たりにしてきた。実際、Transmetaは8月に入り、向こう数四半期の間に現金調達の必要が生じ、信用貸しをめぐり問題に直面した場合には、始めたばかりのライセンシング事業に集中すべく、プロセッサ事業の規模を縮小しなければならなくなる可能性を示唆している。

 同社の初代プロセッサ「Crusoe」の最大のメリットであると同時に最大の問題となっているのは、コードモーフィングソフトだ。Transmetaは128ビットのVLIW(Very Long Instruction Word)アーキテクチャを使ってCrusoeを開発したが、このアーキテクチャはIntelやAMDのプロセッサ、あるいは世界の大半のPCソフトが使用しているx86アーキテクチャとは互換性がないものだった。そのため、Transmetaのハード向けにx86命令を翻訳するソフトが使われた。

 こうしたソフトによるアプローチにより、Crusoeでは大半のx86プロセッサよりもトランジスタの数が少なく抑えられ、その結果、プロセッサの消費電力を抑えることができた。だがPCベンダーが求めたのは、より汎用的な性能だった。ソフトでは、うまく設計されたトランジスタ集合体の本来の性能を再現できないからだ。

 Crusoeに対する初期の評価は厳しいものだった。またPCベンダーは、Transmetaが2001年に180ナノメートルプロセス技術から130ナノメートルプロセス技術への移行を図った際の製造の遅れにも落胆させられた。Transmetaは自社設計の製造をサードパーティの製造工場に委ねている。

 「製品を1つしか扱わない企業の場合、100%の時間フル稼働するのは難しい」とMicroprocessor Reportの編集者ケビン・クレウェル氏は語っている。

 IntelはTransmetaのCrusoeに対抗し、2000年に省電力版のPentium IIIをリリースした。だがその後2003年には、省電力の点でIntelのPentium MプロセッサがTransmetaのプロセッサを上回った。

 アナリストによれば、Transmetaにとって最大の希望は、Crusoeプロセッサの改訂版となるEfficeonプロセッサだという。EfficeonではCrusoeの性能問題の多くが解消される。EfficeonはCrusoeよりも高速で、256ビットのVLIWアーキテクチャを採用し、LongRunの新版により性能強化と消費電力の削減が図られる。

 「市場でTransmetaがどれだけ健闘できるかは、90ナノメートルへの移行の成功いかんにかかっている」とMercury Researchの主任アナリスト、ディーン・マキャロン氏は指摘している。

 Transmetaはパートナーの支持を取り付けている。例えば、NECエレクトロニクスはTransmetaのLongRun2のライセンスを取得している(3月25日の記事参照)。Transmetaのマーケティング担当上級副社長アーサー・スウィフト氏によれば、同社は自社の知的財産を利用するライセンシー企業を拡大することで自社技術を利益につなげたい考えという。

 EfficeonプロセッサはLongRun2により、アプリケーションの作業負荷に合わせて、クロック速度と作動電圧を毎秒数百回、調整できる。必要に応じて電力をあてがうというこのアプローチは、初代のCrusoeプロセッサ以来、Transmeta製品の最大の特徴だ。同社はLongRun2が自社のプロセッサを改良するだけでなく、サードパーティのプロセッサメーカーの注目を集めることに期待している。

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