録画機能が追加されたコストパフォーマンスノート──エプソンダイレクト EDiCube F730(2/2 ページ)

» 2004年11月10日 08時00分 公開
[平澤寿康,ITmedia]
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OSを起動せずTVやDVDの視聴が可能

 新EDiCube FシリーズのTV機能は、基本的にWindows上からFINESTATIONを起動して利用するが、実はOSを起動しなくてもTVの表示やDVD-Videoの再生が可能だ。従来モデルでは音楽CDの再生のみに対応していたので、使い勝手が大きく変化したといってもいいだろう。

 本体全面に用意されている、「TV/CD電源スイッチ」をスライドさせれば、本体の電源が切れている状態でも、OSを起動することなく専用の視聴用ソフトが起動する。電源が切れている状態から、OSが立ち上がりFINESTATIONを起動するまでには長い時間が必要だが、この簡易視聴機能のおかげで、ほとんど待ち時間なくTVが見られる。この機能を使えば、書斎やベッドルームなどでも液晶TV代わりとして利用できるだろう。

 この簡易視聴機能は、BIOSにプログラムが記録されているのではなく、HDDにコントロールソフトが導入されている。Windowsを起動することなく、BIOSからコントロールソフトが呼び出されることによって動作するわけだが、そのためにHDDには約7Gバイトの専用パーティションが確保されている。

 試用機では、この簡易視聴機能は開発途上だったため、実際にどの程度の時間で起動できるのか確認できなかった。とはいえ、Windowsの起動を待つよりもはるかに短時間になることは間違いなく、TVとして利用する機会が多いユーザーには魅力的な機能になるだろう。

静音性が大幅に向上

 キャプチャーカードの標準添付によって、マルチメディア機能が充実した新EDiCube Fシリーズ。気になるのは従来モデルの問題点だった冷却ファンの騒音。いくらキャプチャー機能が追加されてマルチメディア機能が向上したとしても、騒音が大きければせっかくの機能もメリットとはならない。

 しかし、新EDiCube Fシリーズでは、高負荷時も含めて、CPU冷却ファンの騒音が大幅に低減されている。実際にベンチマークテストなどCPUに非常に高い負荷がかかる状況でも、以前とは比べものにならないほどの静音性が確認できた。

 もちろん、深夜の個人住宅といった静かな環境ではファンの風きり音が耳に届くものの、TV視聴中ではその音声にかき消されてほとんど気にならない。マルチメディア機能は華やかでアピールしやすいが、騒音といったカタログなどで見えにくい部分も配慮されている点は高く評価すべきだろう。

F730の筐体に設けられた吸排気用のスリット。内部には大型のクーラーユニットが搭載されているが、その騒音は従来機種から格段に小さくなっている

基本スペックは前モデルを継承

 新EDiCube Fシリーズの、テレビ関連機能以外のスペックは、前モデルとほぼ同等。CPUは、AMDのモバイルAthlon 64、またはモバイルSempronに対応、チップセットはnForce3 Go 150。グラフィックスチップは、MOBILITY RADEON 9200、または9700から選択可能だ。もちろん、メインメモリやHDD容量も購入時に指定できる。

 液晶ディスプレイは、F750、F730ともに15インチサイズであるが、F750の最大解像度は1400×1050ドット、F730は1024×768ドットとなっている。

 内蔵光学ドライブは、CD-RW/DVD-ROMコンボドライブまたはDVDスーパーマルチドライブから選択。ネットワーク機能は、標準で1000BASE-T対応のギガビットイーサが搭載され、オプションでIEEE 802.11a/b/g対応のトリプルワイヤレスLANが選択可能だ。

 基本仕様に大きな進化はないものの、キャプチャーカードおよびFINESTATIONによるマルチメディア関連機能の充実は高く評価できる。それでいて従来モデル同様、高いコストパフォーマンスも受け継がれている。F730の最小構成仕様で13万9440円からと、非常に安価な価格設定となっている。

 もちろん、この最小構成でもキャプチャーカードは添付され、TVの視聴や録画が楽しめる。ノートPCをパーソナルTVとして活用したり、録画を楽しみたい人にお勧めしたい1台だ。

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