PCでスカパー!を録画する時に――AV&リモコン信号伝達システム「AVREx」を試す(2/3 ページ)

» 2004年11月24日 08時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

これは便利、リモコン信号伝達機能

 一方、リモコン信号の伝達機能については何かで代用するということが難しい。筆者が興味を持ったのは、実はこの機能が欲しかったためなのだ。

 具体的には、スカパー!など外部チューナーで受信した番組をPCで録画する時だ。PCで外部チューナーで受信した番組を予約録画する場合は、PC側とチューナー側双方で予約設定が必要である。この操作はほどほどに面倒であることは、一度でもこの操作を試したことのあるユーザーであればご理解いただけることだろう。

 なおスカパー!だけであれば、スカパー!用EPGレシーバーユニットである、アイ・オー・データ機器「SR-SPTV/USB」(ITmedia Shoppingでの最安値をチェックする)と同社キャプチャーカード用TV視聴・閲覧ソフト「mAgicTV」を組み合わせることで一括操作が実現できるそうだが、実売価格は2万円ほどとやや高価で、対応はスカパー!&mAgicTVの組み合わせのみという汎用性の低さがネックで、残念ながら今回は物欲が沸かなかった。

photo アイ・オー・データ機器「SR-SPTV/USB」

 というわけで、筆者自宅の環境では学習リモコン、ソニー「RM-VL700U」(これもやや年代ものだが)にキャプチャーカード用リモコンの信号とスカパーチューナー用信号を学習させ、1台のリモコンで操作できるようにし、スカパー!やBSデジタルの番組表チェックとiEPG予約対応する番組予約サイト「ONTV JAPAN」を活用することにした。

photo スカパー!番組のiEPG録画予約にも対応する、番組情報サイト「ONTV JAPAN」

 ただしPCとチューナー含む家庭用AV機器は、独身者の1DK部屋といえどもやや離れて設置しており、PCデスクからは死角となる場所にチューナーのリモコンセンサーがある。リモコン操作の際には席を立って、その辺まで歩いて、という動作をしなければならない。なんとも独善的で恐縮だが、一般的には別の部屋にある機器を操作する場合、と置き換えていただきたい。

 そこで赤外線信号伝達機能が活きてくる。

 設置は、チューナーのAV端子からAVREx-Sへ、AVREx-Rからキャプチャーカードの外部入力端子に接続することで映像と音声をAVREx経由で伝達し、AVREx-RをPCのディスプレイ前(など適当にリモコンの赤外線信号が届く距離に)に置いておく。キャプチャーカードの外部入力映像を表示するモードに切り替えれば、映像だけでなくチューナーの各種設定画面であっても、その場でリモコン操作できるわけだ。

photo PCディスプレイ上にAVREx-Rを設置する。AVREx-Rの隣はキャプチャーカード操作用リモコン信号受信機である

 録画予約設定はPC側、チューナー側双方で行わなければならないのは変わらない。しかしチューナー側であらかじめ録画する予定のチャンネルに合わせて、そのまま電源付けっぱなしにしておけばいいや、と割り切るのであればチューナー側の予約設定は必要がなくなる。

 もう少し進んだ方法として、USB接続によりPCで信号制御も行える学習リモコン、スギヤマエレクトロン「クロッサム2+USB」を用いることで、チューナー側のチャンネル制御も高度に行えそうだ。これについては別稿にて取り上げることにしたい。

ホームシアターユーザーにおすすめ。赤外線受信/送信窓を増設できる

 またAVRExの赤外線信号伝達機能は、離れた場所でもリモコン操作ができるというのが特徴なのだが、赤外線受信/送信窓を増設できるという考え方もできる。

 例えば筆者宅ではソファの正面にTV、やや左側のAVラックにAVアンプ、外部チューナー、DVDプレーヤー、ビデオデッキ、CDプレーヤーを設置している。TVの音声はそのままAVアンプ経由で出力しているため、音量制御はアンプ側で行うようにしている。その場合、TVのチャンネル切り替えはリモコンをTVに向けて、音量調整はアンプ側に向けてというように、リモコンの向きを移動させなければ操作ができない。

photo 正面ソファに座った時の見た目。左側ソファ肘掛けの後ろにAVアンプがあり、リモコンの向きを変えなければ操作ができなかった。AVREx(TV下に設置)により、リモコン操作時はTV正面方向に向けるだけで済む

 リモコン向きの移動などほんの少しの動作なのだが、「面倒くさくなくなった」というこの効果は体感的にはすごく大きい。リモコン制御するような機器を、異なる方向にいくつか並べているようなホームシアターユーザーなどは特に、その効果を実感していただけることだろう。

 ちなみにAVREx-Sには、赤外線出力ポートが本体前後に各1か所搭載されている。さらにオプションの「延長赤外線出力ケーブル」を用いることで自由な向きにもう1か所、計3方向分出力できる。例えば背面に設置するであろうプロジェクタや、天井のリモコン型照明、エアコン操作などにも応用できそうだ。

AV信号伝達とリモコン信号伝達、どちらが必要か

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