PX-G5000のプリントエンジンは、すでにレビューをお伝えしている「PX-G920」と同じだ。最大印刷解像度は5760×1440dpi、最小インクドロップは1.5ピコリットルで、顔料つよインクの「PX-Gインク」を採用する。インク構成は、CMYBkの基本4色、マットBk、特色のレッドとブルー、光沢感を与える透明のグロスオプティマイザという全8色だ。各色180ノズルの全1440ノズルを備える。
CD/DVDレーベル印刷にも対応し、別パーツの着脱が不要なフロントローディング式だ。前面の給紙ガイドをオープンし、付属のCD/DVD専用トレイにプリンタブルメディアをセットして挿入すればよい。挿入後に本体の用紙ボタンを押すと、印刷位置まで自動的に搬送される。レーベルデータの作成と印刷には、付属ソフトの「EPSON Multi-PrintQuicker」を使う。
PX-G920では省略されていた、印刷ヘッドの自動クリーニングと自動ギャップ調整も搭載している。デジカメ直結のPictBridgeやメモリカードなど、ダイレクトプリントには対応していない。
対応する特殊メディアは、ロール紙、フォトスタンド、フォトアルバムだ。フチなし印刷可能な用紙サイズも、下は名刺サイズから上はA3ノビまでと豊富。特に、2L判、六切、四切という、プリント写真の業界サイズでフチなし印刷できるのがポイントだ。この辺りは対象ユーザー層を考えての仕様だろう(A4シングルファンクション機と複合機も六切のフチなし印刷に対応)。直接のライバルとなるキヤノンのPIXUS 9900iは、六切と四切のフチなし印刷に対応していない。用途と目的によっては、選択の決め手になってもおかしくない部分である。
「色」に関するトピックをおさらいしておくと、PX-Gインクの潜在的な演色性能を約98%まで引き出す新色変換エンジンの「EPSON NATURAL PHOTO COLOR 3」と、それをもとにしたオートレタッチ機能の「オートフォトファイン!6」が中核だ。前者は高彩度領域の色を出しつつ、階調性を改善した。高彩度な色でも飽和しにくく、微妙な諧調を表現する。後者は、エプソンが独自に行ったブラインドパネルテストの結果にもとづき、一般ユーザーが「好ましい」と感じる発色でプリントする。一言でいってしまえば「記憶色」なのだが、それほど派手な発色にはならない。
なおPX-G5000は、デジタル一眼レフカメラのRAWモードで撮影した画像を簡単に出力できる「EPSON RAW Print」が利用できる。ただし、製品に付属するCD-ROMには同梱されていないので、「MyEPSON」に製品を登録したあと、MyEPSONからダウンロードして利用することになるので注意しよう。対応しているデジタル一眼レフカメラは、キヤノン「EOS Kiss Digital」、ニコン「D70」、セイコーエプソンの「R-D1」だ。
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