きょうはGeForce 6200に追加された「TurboCache」パワーを試してみたグラフィックスカード(2/2 ページ)

» 2005年01月24日 00時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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3DMark03 Score
3DMark03 GT1
3DMark03 GT4
Aquamark3

 こうして結果を並べてみると、TurboCache技術と広帯域なPCI Expressを活用しても、ローカルにメモリを持つか持たないかでパフォーマンスは次元が異なるほど、圧倒的の差になっている。ベンチマークの結果は3DMark 03と3DMark05、Aquamark3のみで、ゲームベンチは掲載していないが、これは、通常のベンチマークで行っている設定条件で、実用的なFPSが測定されなかったためと途中でテストを中断したため(動作や描画自体は正常に行われていたが)。

 RADEON X300はおろか、(グラフを載せていないが)実は旧式のバリュークラス「RADEON 9550」をも下回る結果になっている。では、GeForce 6200 wTCのパフォーマンスは、どのクラスのグラフィックスカードに匹敵するのかというと、実は統合型チップセットに組み込まれたグラフィックスコアのベンチマーク結果がようやく肩を並べてくれる。

3DMark03 Score

 ここでは、同じCPUと組み合わせたIntel 915G(に組み込まれたIntel GMA 900)と並べてみたが、16MバイトのローカルメモリをもったGeForce 6200 wTCがIntel GMA 900を下回っている。

 「ローカルメモリを載せていてもこれでは、GeForce 6200 wTCに意味ないのか」という声が聞こえてきそうだが、発表されたばかりのVAIO type Fはローカルに32M倍とのビデオメモリをのせたGeForce 6200 wTCとPentium M 770の組み合わせでは3DMark03が2000台というデータも知られている。ローカルでもつメモリの容量でパフォーマンスはずいぶんと変わってくる可能性が高い。

 このあたりの考察は、ローカルメモリ容量が異なる製品版のGeForce 6200 wTCでベンチマークテストを測定し、その結果を比較してみないと断言できないが、「とりあえず一枚バリュークラスでグラフィックスカードを用意しておくけど、実はゲームもやるのでそれなりのパフォーマンスは必要」というならば、ローカルでもつビデオメモリの容量はぜひ確認しておきたい。くれぐれも、パッケージに書いてある「対応するメモリ容量」では判断しないようにしたい。

 「バリュークラスに3Dパフォーマンスを期待してはいかんよ」という意見もあるだろうが、ならば同じ実売7000〜8000円台半ばの価格帯で、ビデオメモリを128Mバイト搭載したGeForce PCX 5750やRADEON X300 SEが選択できるようになる。

 ノーマルのGeForce 6200よりは確かに安いが、RADEON X300や旧式(とはいえパフォーマンスでは優っている)GeForce PCX 5750とほぼ同じ価格のGeForce 6200 wTCだが、最新のGPUだけあって、Direct X 9への対応、シェーダモデル3.0のサポートなど、組み込まれている機能はハイエンドGPUと同等。とくに、動画表示における高画質機能をサポートする「PureVideo」は、TVなど録画利用が多くなってきた最近のPCユーザーにとって注目すべき機能だ。

 NVIDIAのGeForce 6シリーズ、というとどうしても3Dパフォーマンスに注目しがちだが、GeForce 6200 wTCはそれよりも、A&V用途を重視するユーザーに高画質を実現するグラフィックスカードを低価格で提供(ついでに、3Dゲームをするならメインメモリの領域を使って対応)する、従来のGeForce 6シリーズとちょっと異なる、NVIDIAとしては新しい主義主張をもったGPUといえるのではないだろうか。

 さらに、メインメモリを利用できるGeForce 6200 wTCは、ATIのRADEON XPRESS 200のようにグラフィックスを内蔵した統合型チップセットへの布石ではないか、と期待してしまうのだが、それはちょっと先走った憶測に過ぎないかもしれない。

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