キューブ型ベアボーンキットと言えば、すでに自作PC市場では確固たるポジションを確立していると言える。ほどよくコンパクトな筐体には高密度にチップとパーツが実装され、そのレイアウトからボード、冷却の仕組みまでトータルでメーカーの技術の見せ所となっている。
今回試用したのは、マザーボードの老舗メーカーASUSから登場したキューブ型ベアボーンキット「S-Presso Deluxe(S1-P111)」だ。
S-PressoのStandard版は昨年末より発売され、そして今回Deluxe版が登場した。このDeluxe版は、本体前面のタッチセンサー内蔵パネルと情報表示のためのLCDを搭載し、よくあるベアボーンキットとは一味違ったAV調なデザインに仕上げられている。
S-Pressoは外観からして特徴ある製品だ。まずカラーリングはブルーメタリックカラーを基本色に、そしてフロントパネル部にスモーク入りブラックカラーを採用し、落ち着いているというか、ややダークな雰囲気。そして少し丸みを帯びた筐体には、持ち運び用の取っ手がパネル上部に設けられ、スイッチにタッチセンサーを搭載することで、ごてごてとボタンのない、つるりとしたパネルデザインがなされている。
ちなみにこの取っ手はASUSによると、(LANパーティーは日本では馴染みが薄いかもしれないが)友人宅やパーティ会場に自前PCを持ち込み、ネットワークゲームを楽しむ「LANパーティー」用として採用したとのこと。昨年11月にアキバで行われたASUSイベント時(2004年11月の記事参照)に「国内向けとしては馴染みがないので取っ手がないデザインも検討している」としていたが、そのまま“取っ手付き”で決まったようだ。
フロントパネルには、そのほか7in1メモリカードリーダー、カバー付きの光学ドライブベイなどが搭載されている。本体サイズは、一般のキューブPCからするとひとまわり大きな、240(幅)×181(高さ)×330(奥行き)ミリとなっている。
フロントLED部とタッチセンサー付きパネルは、CD/DVDの操作、ステータス表示などに加えて、InstantOn機能用の起動スイッチにもなっている。
Instant On機能とは、WindowsなどのOS起動なしでTV視聴/CD・DVD再生/ラジオ聴取が可能となる機能だ。このところこうした機能に対応したリビング向けとも銘打たれるPCが増えてきたが、少しもどかしいところでは、本体の起動(OSの起動用)スイッチとInstant Onスイッチが別になっているところだ。
本体側面と後部に目を移すと、両サイドには通気用のスリットが開けられており、後部には小サイズながらファンが2基搭載されている。そしてその上にはSFF電源が搭載されている。
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