さて省スペース+AV機能が特徴というコンセプトのS-Presso。キューブ型PCであるため設置容積はミドルタワーデスクトップPCよりももちろんかなり小さく、机上やAVラックなどに置いても差し支えないサイズとデザインである。
机上はもちろん、AVラックに置くという使い方もできることは、PC的な無骨イメージを排しオーディオ風のデザインを取り入れたところは評価できうるポイントで、静音性もまずまずといったところは好感が持てる。
しかしAV機能は、やはりPCの域を脱したとは言いにくい。Windows上からInterVideo HomeTheaterを介した操作感はとくに悪いわけではなく、標準添付のチューナーがソフトウェアエンコードタイプであること(これはかなりの不満ポイントなのだが)を除けば及第点を付けられる。
問題は、AV機器との比較をしてしまいがちなInstantOn機能である。
家庭用機器的な使い勝手を求めるとなると、レスポンスが鈍いのを筆頭にほかにもチューナーの画質性能やWindows上での再生ソフトとインタフェースや操作性が若干違うなど、細かではあるがちょっと「あれ?」と思ってしまうような点が出てくる。結局のところInstantOn機能は現状発売されている他社製品も含め、現在はまだオマケ的要素であることは否めない。今後の機能・操作性向上に期待したい。
さてこのS-Presso、キューブPCの後発なだけあってベアボーンキットとして考えると随所に工夫が見られ、感心できる箇所は多い。
例えばドライバーレスの優れた整備性、静音性、筐体サイズを望む自作PC初心者ユーザーや、mPGA478環境からLGA775やAthlon 64環境になど移行し、CPUやメモリを再利用したいと考えているユーザーまでに向くベアボーンキットであるといえよう。
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