大型液晶一体型PCは、新しいユーザーを創出できるか──NEC「VALUESTAR W VW900/CD」(1/2 ページ)

» 2005年04月13日 18時04分 公開
[八木慎伍,ITmedia]

とにかく大迫力の26インチワイド

 幅約79センチ、高さ約52センチ、奥行き約30センチ、重さ約27キロ……。いきなりサイズの話で恐縮だが、VALUESTAR Wの第一印象は「とにかく大きい」。

 それもそのはず、26インチワイドというPCとしては異例の大型ディスプレイに加え、パネルスピーカーを左右にレイアウトしたデザインのおかげで迫力満点。コンパクトに作られたキーボードと見比べると、これまでの一体型PCとは違う「存在感」を想像してもらえるはず。

夏モデルで新たに加わった「VALUESTAR W VW900/CD」

 誤解を恐れずに言ってしまうと、「26型ワイドテレビにPCが内蔵されている」と説明したほうがVALUESTAR Wの特質を理解しやすい。本体には「TV電源」「PC電源」と別々にパワースイッチが用意され、電源が個別に投入できる。テレビ側の電源を入れると、普通のアナログチューナー付きテレビとして使える。

 メーカー側はこれを「インスタント機能」と言うかもしれないが、最近流行している、Windows XP以外のOSでPCを起動するタイプではないので、音楽CDやDVD-Videoの再生やテレビ録画の機能など、HDDや光学ドライブを使う機能は、PC側の電源を投入してWindows XPを起動しないと利用できない。

正面右側にある2つの電源ボタン。テレビとPCそれぞれが個別に起動する

 こう書いてしまうと、競合の液晶一体型PCより劣るように聞こえてしまうかもしれないが、これは「コンセプト」の違いであることを理解しないといけない。VALUESTAR WはテレビとPCの機能を切り離したおかげで、テレビ側の使い勝手は家電製品とさほど遜色ない。電源を投入して3秒で絵が出るし、メニューによる画質調整の設定など、NEC製液晶テレビと言われても何の違和感もないだろう。

 多くのPCで採用されているインスタント機能が、結局のところPCを起動しているために、起動時間はもとより、消費電力や冷却ファンの音などが気になってしまうのだが、VALUESTAR WはPC側を動かさずにテレビが見れるので、その心配もない。

 さらに、PCとテレビの両方に電源を入れれば、Windowsを操作しながら(PC側のテレビチューナーではなく)テレビ側の映像を子画面で表示させることも可能だ。これはPC上の「子画面設定ユーティリティ」を使って、子画面の大きさ(3段階から選択)と表示する位置をコントロールできる。

 なお、この状態でPCの音声とテレビの音声が両方同時に出力されるが、「TV」「PC」の切替スイッチが用意された同梱のリモコンを使えば、不要な音声を簡単に消音できる。

 このように、VALUESTAR Wはどちらの機能を使っているかが分かりやすい。テレビはテレビ、PCはPCとどちらで使っているか明快なのだ。テレビチューナーもテレビとPCの両方に用意されているので、「テレビを見ながらPCで裏録」できる。「テレビデオ」的な分かりやすさは、これまで少しでもPCを触ったことのあるユーザーであれば、容易に受け入れることができるだろう。

リモコンにもPCとテレビの切り替えスイッチが設けられており、「テレビの操作」「PCの操作」と明確に分けて行うことができる

デジタルチューナーが無理ならせめてD端子だけでも

 500カンデラの高輝度液晶に加え、フラットパネルスピーカーにサブウーファも搭載したVALUESTAR Wのサウンドは、リビングのような広めの部屋で鳴らしてもまったく貧弱にならない。機能といい、表示される画質といい、出力される音質といい、家電の液晶テレビに負けていないのだ。

 ただし、これはあくまでも現在利用できるアナログ放送に限った話。デジタル系のチューナーはVALUESTAR Wに搭載されていない。これは仕方ないとしても、ならばせめてD端子などのデジタルチューナーとHD品質で接続できる外部入力端子を装備して欲しかった。

 もちろん、筐体には外部入力端子が用意されているのだが、それはS端子/コンポジット。テレビゲームは接続できるが、これも次世代機になるとHD品質になることが期待されるだけに、液晶テレビと比較して「外部入力端子が貧弱」と言われても仕方のないところだ。

PC機能も必要十分ではあるのだが

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