デュアルコアCPUはこのマシンにこそ相応しい──ソニー「VAIO type R VGC-RA73PL9」(1/3 ページ)

» 2005年05月30日 12時02分 公開
[寺崎基生,ITmedia]

デュアルコアのPentium D 830を搭載した、ハイエンドデスクトップVAIO

 昨年の夏モデルからシリーズに加わったVAIOのデスクトップシリーズtype R。真っ黒で高級感溢れる吹き抜け式の筐体と、ヒートパイプを使った独特な冷却システムを採用した人気モデルだ。

 2005年の春モデルでも外観の変更は行われず、CPUやHDDなどの主要パーツがアップグレードされただけにとどまった。そして、デビューから1年を経て2005年夏モデルの登場となったが、今回も外観に関してはまったく手を入れず、構成パーツの変更にとどまっている。それだけよくできたケースであると、ソニーの開発陣は自信を持っているのだろう。

VAIO type R VGC-RA73PL9。夏モデルの店頭向け製品から筐体のみの機種はなくなりすべて液晶ディスプレイがセットになる

 今回登場したVAIO type Rが搭載するCPUは、インテルのメインストリーム向けCPUとしては初めてのデュアルコア構成となるPentium Dである。プロセッサナンバーは830で、動作クロックは3GHzに過ぎない。これまで「SmithField」という開発コード名で知られてきたCPUで、PrescottコアのPentium 4と同じ90ナノメートルプロセスで製造されている。

 デュアルコア構成のインテル製CPUには、Pentium Extreme Editionもあるが、こちらは同じコンシューマー市場向けでもハイエンドユーザーをターゲットにしたモデル。Pentium Dとの違いはハイパー・スレッディング・テクノロジをサポートしていることである。そのため、OSから見える(論理的な)CPUの数は、Pentium Extreme Editionが2コア×2スレッドの4CPUとなるのに対し、Pentium Dでは2コアのみの2CPUとなる。

 OSから見れば従来のPentium 4と同じ「2つのCPU」と認識されるPentium Dであるが、こちらは物理的に2つのCPUを搭載している。そういう意味で、夏モデルのVAIO type Rによって、これまでの擬似デュアルプロセッサ的シングルコアとは違う「本物のマルチCPU」を搭載したVAIOがはじめて登場したことになる。

発熱はかなり少なめ。ゆえに騒音も少ない

 VAIO type R(これは従来モデルからであるが)の最大の特徴はその筐体にある。上下の2ブロックに分かれた構造は、それまでのメーカー製PCの常識を覆すものであった。

VAIO type Rを象徴する上下に分かれた筐体

 上下に分かれたブロックの間にあるエアインテークは、外気を熱源の近くから取り込むために採用された仕組み。上のブロックは、CPUから排出された熱を冷却する大型のクーラーユニットと光学ドライブのみが納められている。

 下のブロックには、CPUや電源ユニット、マザーボード、HDDなどのメインパーツ、つまり熱源となるパーツが収められている。エアインテークからは、クーラーユニットと電源ユニットに直接外気が吸い込まれるため、効率的に冷却できる。

内部は光学ドライブとクーラーユニットが収納された上部ユニットと主要PCパーツが配置された下部ユニットに分けられる

上下のユニットをつなぐ部分にはエアインテークが設けられている

 CPUの熱は、4本の太いヒートパイプによって、下のブロックから上のブロックにあるクーラーユニットに誘導される。こうすることで、CPUの排熱が下のブロックに収納されているパーツの温度を上げてしまうことを避けている。なお、下のブロックにある、CPU以外のパーツから発生した熱は、電源ユニットのファンによって排出される。

 注目したいのが、クーラーユニット及び電源ユニットに組み込まれたファンの低い回転数だ。Windowsで動作する監視ツールがないためBIOSで確認しているが、クーラーユニットのファンが840rpm、電源ユニットのファンは1288rpm、そしてHDDを冷却するために下のブロックに取り付けられているファンも1145rpmと、冷却ファンとしてはかなり低く設定されている。

 このような低い回転数でもCPUの温度は40℃〜45℃程度に収まっている。大口径の12センチファンを使用していることもあって、冷却の効果は十分なようである。ベンチマークなどで負荷をかけても、ファンから発生する音量が高くなることもなく、静かな状態で運用できた。

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