日本語入力システム(IME)で一番重要なのは何か。ちょっと考えてみよう。一番重要なのは、「入力したい言葉を間違えずに入れられるか」と「どんな言葉も簡単に入れられるか」だ。よく言われる「変換効率」も、上記の2つのためにあると思っていい。思いついた言葉を間違えずに変換するのが仕事だからだ。
普通の言葉ならたいてい変換辞書に入っているけれども、言葉は日々作られ、刻々と変化している。わかりやすい例が人名やチーム(グループ)名、専門用語だ。毎日のように目に触れて知ってはいるんだけれども、いざ書くとなると、「島」と「嶋」のどちらかわからなくなったり、辞書にない名字で読みを入れてもうまく変換できなかったりする。さあ、どうしよう。
メールやブログや掲示板への書き込みといった普段の文章書きではリズムが大事だから、頭の中に思い浮かんだ文章をできるだけすぐ書きたい。そこで手間がかかるとストレスが溜まる。
例えば、サッカー日本代表の試合を見たあとで「昨日の三都主アレサンドロはなかなかよかったよねー」と書きたいだけなのに「さんとす」では変換できないっ。かといってカタカナでは違う。しようがないから1文字ずつ変換して辞書登録するのだ。ちょっと大変だ。
大変なのは漢字だけではない。カタカナの名前も、覚えたり打ったりするのは大変なもの。この夏「ライフ・イズ・ミラクル」が公開されるセルビア・モンテネグロの映画監督「エミール・クストリッツァ」。「クストリッツァ」なんて普段耳にしない発音なので忘れがちだし、そういえば「ツァ」ってローマ字でどう打つんだっけっ? てことにもなりかねない。
こんな現代人の悩みを一気に解決する方法がある。「さんとすあれさんどろ」を「三都主アレサンドロ」に変換するのみならず、「エミール」と入れれば「エミール・クストリッツァ」が自動的に出てくるのだ。これはものすごく楽。
人名のみならず、微妙な漢字の使い分けが難しい専門用語も、最初の数文字を入れるだけで自動的に正しい単語にしてくれる。あまりにうまい話だが、本当にそうなのだ。
どうするのか。「ATOK 2005」で省入力データ機能を利用するのである。
省入力データというのは文字通り、入力を簡単にするためのデータファイル。優れているのはジャンル別に分かれていて、必要なものだけを組み込める点だ。いくら簡単でも候補が無数に出てきたら今度は選ぶのが大変になってしまうが、欲しいジャンルだけに絞ればそんなこともない。
そして、いろんなジャンルの省入力データをダウンロードして使えるのが「夏のすいすい入力体験フェア」。ATOK 2005を使って日本語をもっと簡単に楽しく入力しようというジャストシステムのフェアのひとつだ。
今までの日本語入力システムでは、「ちゃんと入れた読みを正しく漢字やカナに変換すること」が大事だった。もちろんそれは大前提だ。でも、それもまた、冒頭に書いたように、入力したい言葉、頭に浮かんだ言葉をどれだけ快適に正確に「すいすい入力できるか」の一要素なのだ。
ちゃんと入れた読みを文脈の中でちゃんと変換できるのが日本語入力の“幹”なら、それに「ちゃんと読みを入れなくてもサクッと変換できる」という“枝葉”が加わることで、より日本語入力が楽で快適で正確になるのである。それが「すいすい入力」なのだ。
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