レビュー
» 2005年11月10日 13時00分 公開

ベストセラーをうかがう多機能な複合機――PM-A890 (2/3)

[林利明(リアクション),ITmedia]

スタンドアロン機能と操作性はPM-A950とほぼ同じ

 スタンドアロンの機能、操作パネルのボタン類と配置、液晶メニューは、PM-A950とほとんど同じだ。詳細はPM-A950のレビューを参照していただくとして、PM-A950と異なる部分をピックアップしてみる。

 まず液晶メニューでは、液晶サイズがPM-A950より小さいためか、ボタンを押したときのカーソル移動やメニュー切り替えのレスポンスが、PM-A950より速かった。わずかな差だとは思うが、少なくとも筆者の感覚では、PM-A950で感じたようなストレスはなかった。

 次に赤外線ワイヤレス通信によるダイレクト印刷だ。赤外線の受光部は、メモリカードスロットの向かって左横にある。今回はカメラ付き携帯電話で試したが、携帯電話で撮影した画像やメールデータなどを表示し、携帯電話のメニューから赤外線で送信を実行するだけだ。PM-A890の動作モードに関係なく、データの受信が開始され、完了するとすぐに印刷が始まる。

画像 メモリカードスロット。その左に赤外線受光部がある

 印刷の設定は、あらかじめ「セットアップ」メニューで済ませておく。用紙サイズと種類、フチなし/あり、日付印刷の有無、印刷品質(速い/きれい/フォト)、およびシャープネスやコントラストといった画質調整を設定できる。用紙種類は、純正のフォト用紙、はがき、普通紙、シール用紙、アイロンプリント用紙などに加えて、CD/DVDレーベルも用意されている。

 また、「ファンプリント」モードにある「ケータイで文字入力」という機能もおもしろい。はがき(宛名面/通信面)、L判、カードサイズ、CD/DVDレーベルなど、あらかじめ用意された用紙サイズとレイアウトに対して、携帯電話から文字を入力してダイレクト印刷する機能だ。

 携帯電話のメモ帳機能で文章を入力し、赤外線通信でPM-A890に転送可能だ。背景の画像には、携帯電話やメモリカードの画像が使える。はがき宛名面の住所と氏名まで入力できるほか、最大99枚までの印刷指定が可能だ。文字のレイアウトは最小限だが、はがき印刷やコメント付きの写真印刷を、携帯電話だけで実現したアイディアと意欲は高く評価したい。どれだけ利用されるかは微妙なところだが……。

PM-A950とは異なる写真印刷の発色傾向

 PM-A890は写真印刷のブランド「Epson Color」対応なので、デフォルトの自動色調整は「オートフォトファイン!EX」となる(ダイレクト印刷とPC印刷の両方とも)。PM-A950のレビューでは、「オートフォトファイン!EXの全体的な印象としては、高めの彩度、低めの明度という傾向」と述べたが、PM-A890では若干異なる。PM-A950が暗部の階調を重視する色作りなのに対し、PM-A890は少し明るい発色だ。第一印象で見た場合、PM-A890の発色のほうが多くの人に好まれるように思う。人肌についても、PM-A950と比べて明るめで赤みが差したような雰囲気になるため、印象がいい。

 逆光写真と露出アンダー写真の補正については、PM-A950と同様の傾向だった。逆光で人物が暗くなった写真よりは、露出アンダー写真のほうがうまく補正してくれる。

 スキャン画質については、反射原稿もフィルムも十分に満足できるものだ。ただ、フィルムを3200dpiなどの高解像度とデフォルト設定で読み取ると、輪郭強調が効き過ぎてエッジが不自然になる場合も見られた。スキャナドライバ(EPSON Scan)の設定で「アンシャープマスクフィルタ」を無効にするか強度を下げたり、「粒状低減」を有効にすると改善された。

画像 葉っぱの緑や赤系の色を見ると、PM-A950より明度が高いことが分かる。シャドウも若干だが持ち上げている。非常に大雑把にいうと、PM-A950は素材色系、PM-A890は記憶色系の発色だ
画像 元データの色調にも左右されるが、人肌の発色はPM-A950よりも総じて良好。PM-A950ほどイエローが強くならず、明るめで赤みのある肌色が好ましい

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