EPSONの「PM-A890」は、2004年モデル「PM-A870」の後継となる。ハイエンドの「PM-A950」に続くモデルだが、複合機の全ラインアップでもっとも多機能な点に注目だ。PM-A950と共通するところも多いので、先に掲載している「PM-A950」のレビューも合わせてご一読いただきたい。
PM-A870からのおもな強化ポイントとしては、CD/DVDレーベル印刷とコピーに対応、赤外線通信機能の標準搭載、カラー液晶モニタに2.5インチの「PhotoFine液晶」を採用といった点が挙げられる。PM-A870はCD/DVDレーベル印刷ができないことが不評だったが、これに対応するとともに、赤外線通信機能の標準搭載が大きな特徴だ。EPSONの複合機で赤外線通信を標準で備えるのはPM-A870だけで、携帯電話との通信機能が充実している(後述)。
プリントエンジンには、高速化された2005年版の新型を採用し、新ブランド「Epson Color」にも対応する。ノズル数とインクカートリッジを除けば、PM-A950と同等だ。インクは染料つよインクのPM-Gインクで、C/M/Y/Bk/PC/PMの全6色を用いる。ノズル数はPM-A950が全900ノズル(インク各色180ノズル)なのに対し、PM-A890はちょうど半分の全450ノズル(インク各色90ノズル)だ。インクカートリッジの装着は、前面から行うPM-A950とは異なり、内部の印刷ヘッド部分に取り付ける一般的なタイプである。
スキャナ部のイメージセンサは、光学3200dpiのCCDだ。CCDの1画素ごとにオンチップマイクロレンズを設け、感度を高めたα-Hyper CCDIIを搭載し、フィルムスキャンにも対応する。対応フィルムは、35ミリネガ/ポジの6コマスリーブ、マウント、モノクロフィルムだ。付属のフィルムホルダは1枚で、35ミリスリーブ×1列(6コマ)、マウント×4コマを連続スキャンできる。フィルムホルダは、原稿カバーの内部に収納可能だ。
給紙場所は後面の給紙フィーダだけとなり、PM-A950が持つ前面のA4普通紙専用スロットは省かれている。CD/DVDレーベル印刷用の付属トレイは前面からセットでき、排紙トレイの左側にあるレバーを下げると、排紙トレイが持ち上がって付属トレイの挿入ガイドになる。
また、新しい対応フォト用紙として、アスペクト比が16:9のワイド用紙が使えるようになった。最近は16:9サイズのワイド画像を撮影できるデジカメやDVカメラが増えているが、そのままのイメージでフチなし印刷できる。ワイドサイズのフォト用紙に対応するのは、今年の新しいモデル群でもPM-A890だけだ。
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