米PC小売市場で広がるLinux PC

» 2005年11月11日 14時34分 公開
[IDG Japan]
IDG

 コンシューマー向け小売市場へのLinux PCの進出が続いている――PC小売企業の米Micro Centerは今週、米Linspire製Linuxを搭載したデスクトップPCおよびノートPCを販売すると発表した。

 Linspireのケビン・カーモニーCEOはインタビューで次のように語った。「これはLinuxにとって非常に大きな動きだ。安さとセキュリティが求められる今、Linuxは有望な選択肢だ。これらを求める人々の半分にとって、Linuxは役に立つだろう」

 米Micro Electronics傘下のMicro Centerは、ライバルのFry's ElectronicsがLinux PCを提供したことを受け、Linuxをプリインストールしたハードウェアシステムの販売を検討し始めたという。カーモニー氏によれば、Micro Centerが実施したアンケート調査で顧客の75%以上がOSの選択肢としてLinuxに関心を持っていることが分かった。

 米Linspire製Linuxを採用したコンピュータはほかの小売企業からも販売されているが、Linux専用の商品棚を19店舗すべてで用意し、かつLinspireの研修を受けたスタッフメンバーを配置している小売店はMicro Centerだけだとカーモニー氏は強調した。

 Micro CenterのWebサイトによると、同社では現在Linspire搭載のデスクトップPCを2種販売している。「PowerSpec 1405」は価格250ドル、米Advanced Micro Devices(AMD)製Sempronプロセッサ、128MバイトRAM、40GバイトHDD、CD-ROMドライブを備える。300ドルの「PowerSpec 1415」は、Sempronプロセッサ、256MバイトRAM、40GバイトHDD、DVD-ROM/CD-RWドライブを装備。いずれもディスプレイは含まれない。

 なお同社サイトにLinspireベースのノートPCは掲載されておらず、同社担当者に詳しい情報を求めたが返答を得られなかった。

 カーモニー氏は、コンシューマーPC市場の覇権がWindowsからLinuxに移行することは期待していないまでも、今回Micro Centerと結んだ契約は小売り流通網におけるLinuxプレゼンスの拡大を押し進めると語った。

 「テクノロジー自体が優れているべきであるのはもちろんだが、流通チャネルに乗らなくてはだめだ。今回の契約によって、Linuxは実際に小売りチャネルに乗ることができた。人々に触れてもらい、感じてもらい、体験してもらう必要がある。これはLinuxにとって非常に重要だ」(同氏)

 カーモニー氏がLinspireユーザーになると見込んでいるのは、基本的な電子メール、ワープロ、インターネットなどに使うために、2〜3台目のPC購入を検討している人々だ。

 IDCのシステムソフトウェアリサーチ担当副社長、ダン・クズネツキー氏は今回の販売契約について、小売り流通網に大きなトレンドをもたらすものではないが、Linuxは、コンピュータの用途が限定されているコンシューマーに適していると言う。

 「Linuxのサプライヤーたちは、インターネットアクセスや個人的なプロダクティビティ、いわゆるローエンド用途のユーザーを満足させることを狙っている」(クズネツキー氏)

 IDCの調査によれば、現在LinuxがOS市場全体に占める割合は出荷台数ベースで2.5%。この数字は2008年までに9%に拡大するとIDCは予測しているが、Windowsシステムの市場支配は今後も変わらないもようだ。

 ただしカーモニー氏は、これからさらに多くの小売企業がLinuxマシンを販売するだろうと楽観的な見方を示している。

 「Micro CenterはFry'sのプレッシャーを受けて今回の販売に至った。これが次にBest Buyに圧力をかけることになる。この動きはどんどん市場に広がっていく」と同氏は話している。

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