ビデオ編集にお金や時間がかかったのは昔の話。最近のパソコンを使っているのなら作業環境を整えるのは難しくない。そして誰もが簡単に始められるのだ。(PC USER Presents)
ビデオ編集は本当に身近になったのか?
パソコンの性能向上にともない、写真、音楽、動画といったマルチメディアコンテンツをPCで管理することは当たり前になった。音楽CDのリッピングをはじめ、デジカメの写真は画像補正やデータベースソフトによる管理と、PCとは切っても切れない関係にある。高い処理能力を必要とした動画編集も最近のPCであればなんなくこなせるようになった。メーカー製PCならば、IEEE1394端子や大容量のハードディスクがはじめから搭載されている場合も多く、さらにWindowsやMac OSには動画編集ソフトが標準で付属している。
しかし、このうちビデオ編集だけは、いまだに敷居が高いと感じる人が多い。面倒で時間のかかるリニア編集時代の印象から尻込みする人もいれば、追加投資を考えて敬遠する人もいる。前述したように、これらの懸念材料は、最近のPCを使っているのならほとんどは杞憂なのだが、それでもビデオ編集はいまだ特殊な趣味の領域だ。
その要因の1つに、ユーザーが動画編集という行為に慣れていないことが挙げられる。たとえば、入学式や運動会といった子供のイベントを思い出あふれる1つの作品として残す、というイメージは、DVカメラのプロモーションではおなじみだが、これは実際にやってみるとかなり根気がいる作業だ。たしかにDVカメラやソフトなどの道具は簡単に使えるようになった。しかし、それで何を撮るか、どう作るかということに習熟している人は少ない。作品のプロットを練り、必要なシーンの絵コンテを描いてから我が子の撮影にのぞむ親はほとんどいないだろう。たいていは行き当たりばったりでカメラを回すはずだし、当然そういった映像を編集するには時間も忍耐力もいる。そして、未編集のDVテープの山が積み上げられていく、というわけだ。
まずは気軽にはじめよう
しかし、そもそもビデオ編集と作品創りを同じだと考える必要はない。たとえば、毎週録画している連続ドラマを1つにまとめて、後から見やすいようにCMをカットし、チャプターを設定するといったように、すでに完成された(編集ずみの)映像ソースを個人で再利用するために整理することもある種のビデオ編集だ。1から作品を創るのは大変だが、既存映像のライブラリー集なら少し手を加えるだけで簡単に作成できる。もちろん、DVカメラを持っていれば、自分で撮ったオリジナル映像を組み合わせてみるのも面白い。
そういう視点から見ると、現在の動画編集を取り巻く環境は非常に恵まれている。TV録画機能を標準搭載するPCはめずらしくないし、ハードディスクDVDレコーダーは新しい家電として普及しつつある。かつては高価だったDVカメラも実売6万円台まで低価格化した。また、インターネットには大量の動画コンテンツが散在している。映像の素材を手に入れやすい環境なのだ。加えて、PSPやiPodなどのポータブル再生機器が市場に増え、映像の楽しみ方にバリエーションをもたらしたのも動機付けになるだろう。そして、動画の編集は今すぐにでも始められるのだ。
ただ、作業のやりやすさに直結するビデオ編集ソフトは、できれば市販の製品を使う方がよい。気軽にビデオ編集を楽しむなら快適に動作することは重要だし、様々な素材を利用できる点で、多くの動画フォーマットの入力に対応した製品は重宝する。さらにフォーマットが異なる複数のファイルを混在して扱えると、コンバートする手間もなく、作業環境を統一できるので便利だ。また、PC以外の再生環境を視野に入れると、多彩な出力形式をサポートしたソフトを選びたい。
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提供:ソフトバンク クリエイティブ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日