では、Symphony導入前後の冷却性能をチェックしてみよう。「Super π」3355万桁を計算し直後の温度を計測する。マシン環境は以下の通りで、導入前のCPU冷却系はリテールものを使用、室内温度は24度である。
CPU | Athlon 64 3000+ |
マザーボード | ギガバイト「GA-K8NS Ultra-939」(nForce 3チップセット搭載) |
HDD | Ultra ATA/100接続120Gバイト+80Gバイト |
メモリ | PC3200 256Mバイト×4 |
グラフィックスカード | 玄人志向「RD955-A128C」(RADEON 9550) |
CPU温度 | 測定前(アイドリング中) | 測定後(測定前との差) |
リテール環境 | 30.5度 | 39.8度(9.3度) |
Symphony設置 | 28.2度 | 28.4度(0.2度) |
PCとの高低差がない設置スタイルにて、Symphonyは性能を如何なく発揮する。Super π計算後であってもほぼ誤差といえるくらいの上昇値で、PCを起動してからベンチマーク中まで一環して28度台をキープしていた。つまりはAthlon 64 3000+ほどのCPUであれば、高負荷のかかっているベンチマーク中でもCPUの熱を完全に放熱しきってしまえる性能があるといえる。
加えてSymphonyの動作音にもかなり満足している。今回のように双方を机上に設置した場合は、位置が近いだけあって耳を澄ますとちょっとモーター駆動音が聞こえる(ファン音は聞こえない)が、おそらくメーカーが想定している設置方法となるであろう、双方を床置きしてみるとその音はほぼ聞こえない。
Symphonyは、これまで試してきた水冷キットの中では冷却性能と静音性がともに満足できるとものだと感じた。ただしその大きさが許せるなら、である。
実売価格で3万円台のかなり高価な製品だけに、どうせ買うならフル性能が発揮できる、PCとの高低差がない場所に設置したいところ。またそのデザインから、2台以上導入するともっとカッコよく見えると思うので、PCを2台以上所持しているユーザー、ないしGPUブロックなどを別途導入してそれを贅沢に使ってみてもよさそうだ(人ごと)。
季節柄ちょっと水冷ブームが落ち着いているいま、セールやキャンペーンなどで安価となっている可能性も高いと思われるし、来年の夏をも見越して導入してみてはいかがだろうか。
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