さて、Symphonyはほぼ完成状態で出荷されているので、組み立て・設置そのものは比較的簡単だ。外付けラジエータ兼ポンプとCPUブロックを接続し、あとはラジエータ内タンクに冷却液を注入するだけでいい。マザーを外して、各CPU用のバックプレートを取り付けるところから始めよう。
電源はドライブ用4ピンペリフェラルコネクタから取る。これもチューブの接続作業と一緒に、余っている4ピンコネクタに(ないし分岐コネクタを介して)接続し、付属の背面ブラケットプレートからチューブと電源を外に出せば、PC内部の作業は終了だ。あとは外付けラジエータ兼ポンプと接続して、そのタンクに冷却液を注入していく。こちらも付属の冷却液ボトルを1本分入れるとちょうど適量になる。
基本的に水冷キット(ポンプ部)とPCは、重力の影響をなるべく受けないよう同じ高さに置きたいところ。しかし、このSymphonyの外付けラジエータは高さが110センチもある巨大なサイズであり、必然的に床に置くこととなりそうだ。なおポンプは2基のポンプで高い吐出力を誇るため、メーカーはPCとの設置位置において多少の高低差があっても問題ないとしている。
というわけでPCを机上に、外付けラジエータを机横の床に設置してみた。PCとの高低差は約70センチである。
この設置スタイルにて電源を入れてみると、CPU温度(簡易温度計での計測)がみるみる上昇している。ポンプはまわっているが、なんと冷却液が循環しておらず、Windows起動直後くらいの時間で約80度という怖い値を示している。うわ、これだめだ。
外付けラジエータを担ぎ上げ、机上に置くと冷却液は流れ出した。すると無事CPU温度も下がりだし、しばらく置いておいたら28度台に戻った。机上と床といったよくあるシチュエーションであると思うのだが、残念ながらポンプ性能に対し、高低差がありすぎたようだ(少なくともこの個体では)。
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