2005年の「中華IT」を振り返る山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/3 ページ)

» 2005年12月27日 19時50分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

中国でも進むノートPCの低価格化

 「8万円ノート」「6万円ノート」が目立った日本のノートPCだが、実は中国PC市場でもノートPCの価格破壊が進んでいる。年頭に6999元(約10万円強)が最低価格ラインだったのに、現在は3999元(約6万円)が当たり前、2999元(約45000円)のノートPCすら出てきた。

 都市住民は、3、4カ月分の給料でノートPCが買えるようになったのである。しかし、せっかく登場した低価格ノートの品質に疑問が投げかけられている。ノートPCの品質が低下してきているだけでなく、なんとCPUにエンジニアサンプルや、リマーク品を載せるメーカーも出現。日本でもPentium Mのリマーク品販売事件が大きく報じられた。

 その一方、ここ数年にわたって値引き合戦を続けていたメーカー製デスクトップPC市場では顕著な値下げ傾向に歯止めがかかった。従来、メーカー製といえども「タワー型ケースを使ってアセンブリしました」的なPCがほとんどだったが、今年からそういう単なるタワー型ケースから脱却した製品が登場してきている。

 オンラインゲームで有名な盛大は、デジタルホーム向け薄型PC「EZ STATION」を発表(しかし、まだ出荷されていない)。盛大は「Viiv」テクノロジに準拠しているというが、デュアルコアのCPUが載っているか否か、Windows XP MCEが導入されているかどうか、その製品の正体は依然として謎のベールに包まれている。

 その容姿と仕様から、コードネームは「Xbox」ならぬ「盛大盒子」(盛大box)と呼ばれていた。価格は10万円程度と中国にしては「高め」の設定。しかし、そのオリジナリティから中国のPC雑誌などで随分と話題になった。また、その人気に乗じて第2、第3のEZ STATIONの製品がほかの中国メーカーから登場した。これらの製品の多くはWindows XP MediaCenter Edition 2005を搭載している。

 ソフトウェアでは、日本にも上陸したキングソフト(金山軟件)が中国国内で最新版オフィスソフト「WPS OFFICE 2005」をリリース。Microsoft Officeとの互換性を高め、100日間無料ダウンロードキャンペーンなど積極的な配布戦略も行い、国内でのシェア確保に努力している。

中国で開発されたオフィススイーツ「WPS OFFICE 2005」のロゴはなんとなく「なに」っぽい
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