きょうは65ナノにシュリンクされた新世代Pentium Dの費用対効果に感心したCPU(1/6 ページ)

» 2006年01月06日 11時00分 公開
[笠原一輝,ITmedia]

L2キャッシュが増えVTに対応した「Presler」Pentium D

 今回発表されたPentium D 9xxシリーズは、インテルの新しい65ナノメートルプロセスルールに基づいて製造された開発コード名「Presler」(プレスラー)と呼ばれるコアを採用した。この新しいPentium Dは従来のPentium D 8xx(開発コード名Smithfiled)と比べ、それぞれのコアのL2キャッシュが1Mバイトから2Mバイトに増やされている。

 また、SmithfiledコアPentium Dの最速クロックがPentium D 840の3.2GHzだったのに対し、PreslerコアのPentium Dでは動作クロック3.4GHzのPentium D 950が用意されている。今回登場する新世代Pentium Dのプロセッサナンバは「950」(動作クロック3.4GHz)、「940」(同3.2GHz)、「930」(同3GHz)、「920」(同2.8GHz)の4製品だ。

 先日紹介したPreslerコアのPentium Expreme Edition 955と同様、VTと呼ばれるインテルの仮想化技術がコンシューマーエントリークラスのPentium Dでサポートされた。

 熱設計消費電力(TDP)は、動作クロックが3.4GHzのPentium D 950と同じく3.2GHzのPentium D 940が130ワット、また、動作クロック3GHzのPentium D 930と同2.8GHzのPentium D 920が95ワットとなっている。

 動作クロック3GHzのPentium D 830が130ワットだったのに比べると、同じ動作クロックのPreslerコアPentium Dは熱設計消費電力がわずかに低下している。このあたりは65ナノプロセスにシュリンクされた恩恵といえるだろう(ただし、それでも“高すぎる”であることにはなんら代わりはないが)。参考までにOEMベンダ向けの1000個ロット時の価格は、以下のようになっている。

Pentium D 9xxPentium D 8xx
3.4GHz(x50)637-
3.2GHz(x40)423530
3GHz(x30)316316
2.8GHz(x20)241241
 OEMベンダに示された1000個出荷時におけるPentium D 9xxシリーズの価格

 動作クロック3.2GHzのPentium D 830は別として、3GHzの930と830、2.8GHzの920と820は同じ価格に設定されている。そうなると、Pentium D 8xxを積極的に選択する理由はなくなってしまう。コスト的な事情を考えると8xxシリーズから9xxシリーズへのシフトはスムーズに進んでいく可能性は高い。

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