きょうは65ナノにシュリンクされた新世代Pentium Dの費用対効果に感心したCPU(6/6 ページ)

» 2006年01月06日 11時00分 公開
[笠原一輝,ITmedia]
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1万円あたりのTMPGencフレームレート

1万円あたりのCineBench2003/Rendering(Multi CPU)

1万円あたりの3DMark05 CPU

1万円あたりのFinal Fantasy XI Official Benchmark 3 Version 1.0

 価格が安いということもあって、総じてシングルコアCPUのコストパフォーマンスは優れている。グラフを見ると、Pentium 4 630のコストパフォーマンスが飛び抜けているように見えるが、これはほかに1万円台のCPUがないためだ。この算出方法では価格が安ければ安いほど結果が有利になる面もあるのでその点を注意していただきたい。

 なお、今回の評価では比較用のAthlon 64により低いグレード(3400+など)を用意できなかったが、そのクラスのAthlon 64ラインアップが比較データに含まれていれば、Pentium 4に匹敵するコストパフォーマンスが示されることが十分可能であることをお断りしておきたい。

 さて、デュアルコアCPUの比較に限ってみてみると、実性能はAthlon 64 3800+に劣っていたPentium D 920が、コストパフォーマンスでは逆にAthlon 64 3800+を上回っている。これはAthlon 64 3800+の価格が日本円で4万円弱と高めに設定されていることが影響している。Pentium D 920の実売は3万円を切っている。こうした価格設定の違いがコストパフォーマンスの優劣に影響しているのだ。

100ワットあたりのTMPGenc 3 Xpressフレームレート

100ワットあたりの3DMark05 CPU

 電力効率は、「性能が高いのに消費電力は低い」Athlon 64 X2がPentium Dを大きく引き離している。とくにTMPGenc 3 XpressではAthlon 64 3800+の7.5に対して、Pentium D 920は4.33、Pentium D 820でも4.88でしかない。エンコード処理を延々と流していて電気代が気になる、というユーザーであれば、Athlon 64 X2は「電気代」的にも魅力的な選択となる。

費用対効果を重視するならPentium D 920

 以上のように、Pentium D 920は、L2キャッシュの増量により、同じクロックのPentium D 820に比べてオフィスアプリケーションなどで性能が向上している。ただし、依然としてAthlon 64 X2との性能差は大きく、性能だけで選べばAthlon 64 X2の優位は揺らいでいない。

 また、Preslerコアにおいても高い消費電力の問題は解決されていない。したがって、電力効率の観点からCPUを選ぶのであれば、やはりAthlon 64 X2がベストチョイスとなってしまう。

 PrelserコアPentium Dのメリットはやはり、従来のPentium Dと同様の、安い価格設定を背景にしたコストパフォーマンスの高さになる。費用対効果を比べると、とたんにAthlon 64 X2より優れたCPUに変身する。

 とはいえ、絶対性能よりもコストパフォーマンスを重視したい、というユーザーは少なくない。実際、CPUの販売ラインキングなどを見ていても、デュアルコアCPUの中で上位に来るのはPentium D 820だった。その後継となるPentium D 920は、コストパフォーマンスに優れたCPUを求める多くのユーザーにとってよい選択となるだろう。

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