Pentium Extreme Edition 955(以下Pentium XE 955)は、Presler(開発コード名プレスラー)と呼ばれる65ナノプロセスルールのコアで作られている。Preslerは、現在のPentium Extreme Edition 840(以下Pentium XE 840)やPentium D 8xxシリーズに利用されている90ナノプロセスルールのSmithfield(開発コード名スミスフィールド)に比べると、それぞれのコアに用意されているL2キャッシュの容量が1Mバイトから2Mバイトに引き上げられ、コア全体で4MバイトのL2キャッシュが用意されている。
また、プロセスルールの微細化により、動作クロックの引き上げが可能になり、Pentium XE 840が3.2GHzで動作していたのに対して、Pentium XE 955の動作クロックは3.46GHzとなった。動作クロックが3.46GHzに達したのは、FSBクロックがPentium XE 840までの800MHz(200MHzのクアッド)から1066MHz(266MHzのクアッド)へ引き上げられたためだ。これまでもシングルコアのPentium 4 Extreme EditionでFSBクロック1066MHzを採用していたが、デュアルコア製品としては初めて1066MHzを実現したことになる。
また、Preslerコアを採用したことで、ほかにも新しい技術が採用されている。具体的には“VT”と呼ばれる仮想化技術のサポートはそれにあたる。すでにインテルはVTをサポートしたCPUとして、Pentium 4 672(動作クロック3.8GHz)、同662(同じく3.6GHz)をリリースしているが、Extreme EditionにラインアップではPentium XE 955で初めてVTが実装された。
VTに対応するソフトウェアに関しては、すでにVMWareが「VMWare Workstation V5.5」でサポートを開始している。両者の組み合わせで、より信頼性の高い仮想化環境を利用することが可能になった。
なお、熱設計消費電力(TDP)は130ワットと、従来のPentium XE 840と同等になっている。動作クロックやFSBクロックが速くなったのにTDPが変わっていないのは、プロセスルールが65ナノにシュリンクされたおかげを考えられる。
ブランド | プロセッサナンバ | 動作クロック | FSBクロック | L2キャッシュ | L3キャッシュ | 物理コア数 |
Pentium Extreme Edition | 955 | 3.46GHz | 1066MHz | 2Mバイト×2 | - | 2 |
840 | 3.2GHz | 800MHz | 1Mバイト×1 | - | 2 | |
Pentium 4 Extreme Edition | - | 3.73GHz | 1066MHz | 2Mバイト | - | 1 |
- | 3.46GHz | 1066MHz | 512Kバイト | 2Mバイト | 1 | |
- | 3.4GHz | 800MHz | 512Kバイト | 2Mバイト | 1 | |
- | 3.4GHz | 800MHz | 512Kバイト | 2Mバイト | 1 | |
- | 3.2GHz | 800MHz | 512Kバイト | 2Mバイト | 1 |
ブランド | VT | HT | EIST | EM64T | XD | ソケット | プロセスルール |
Pentium Extreme Edition | ○ | ○ | - | ○ | ○ | LGA775 | 65ナノメートル |
○ | ○ | - | ○ | ○ | LGA775 | 90ナノメートル | |
Pentium 4 Extreme Edition | - | ○ | - | ○ | ○ | LGA775 | 90ナノメートル |
- | ○ | - | - | - | LGA775 | 130ナノメートル | |
- | ○ | - | - | - | LGA775 | 130ナノメートル | |
- | ○ | - | - | - | Socket 478 | 130ナノメートル | |
- | ○ | - | - | - | Socket 478 | 130ナノメートル |
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