それでは、ベンチマークプログラムを使ってPentium D 920の性能に迫ってみよう。今回の評価では、前回のPentium Extreme Edition 955レビューと同じベンチマークを利用している。テスト環境は下記の構成で、比較対象は「Pentium Extreme Edition 955」「Pentium D 820」「Pentium 4 6x0」「Athlon 64 FX-57/55」「Athlon 64 X2 4800+/4400+/3800+」、「Athlon 64 4000+/3700+」を用意した。
CPU | Athlon 64 FX/Athlon 64 X2 | Pentium D/Pentium 4 | Pentium XE |
チップセット | nForce4 SLI x16 | Intel 945G | Intel 975X |
マザーボード | A8N32-SLI Deluxe | D945GTP | D975XBX |
メモリ | DDR400 | DDR2-667 | DDR2-667 |
メモリモジュール | PC3200(3-3-3) | PC2-5300(5-5-5) | PC2-5300(5-5-5) |
容量 | 1GB | ||
ビデオチップ | NVIDIA GeForce 6600(300MHz) | ||
ビデオメモリ | 256MB(500MHz) | ||
ビデオドライバ | NVIDIA ForceWare 80(v81.89) | ||
標準解像度 | 1024x768ドット、32ビットカラー | ||
ハードディスク | WesterDigital WD360 | ||
フォーマット | NTFS | ||
OS | Windows XP Professional+ServicePack2+DirectX9.0c |
SYSmark2004 SEのOffice Productivityは、オフィスワーカーがプレゼンテーション資料を作る過程をシミュレートしたベンチマークテストだ。実在のオフィスアプリケーションを利用しているため、ユーザーの実利用環境に近い結果が出ると言われている。
Pentium D 920は動作クロックが同じ2.8GHzのPentium D 820のスコア「171」に比べて「175」と結果が上がっている。これはL2キャッシュの容量が倍になった効果が表れていると考えられる。ただし、その効果は絶大というものではない。なお、同じローエンドのデュアルコアラインアップに位置する「Athlon 64 X2 3800+」と差はほとんどないことにも注目したい。
SYSmark2004 SEのInternet Content Creationは、コンテンツを作成し、それを構成したWebページを作成する過程をシミュレートするベンチマークソフトだ。
こちらもPentium D 820との比較に注目してみると、わずかであるがPentium D 920の結果が向上している。なお、先ほどのOffice Productivityでは互角だったAthlon 64 3800+と比べてみると、今度はかなりの差をつけられている。こうしたコンテンツを作成するアプリケーションでは、Athlon 64 X2のアドバンテージが如実に表れる。
ここでは、TMPGenc3 XPressを利用して、8MbpsのMPEG-2データを3MbpsのWMVに1パスでトランスコードする時間を計測し、その時間でフレーム数を割ってフレームレートを求めている。
Pentium D 820とPentium D 920の結果に差はほとんどない。こうしたテストではキャッシュの容量よりも、動作クロックやCPU内部にある演算ユニットの数などが効いてくるため、その違いがL2キャッシュ容量だけの両者に差が出ないのは当然である。なお、ここでもAthlon 64 X2 3800+の結果はPentium D 920を大きく引き離している。
MAXON ComputerのCineBench 2003は、3Dの画面のレンダリング処理で、CPUの性能を計測するベンチマークプログラムだ。レンダリングはシングルCPU時とマルチCPU時の両方で計測している。ここでもPentium D 820とPentium D 920の差はほとんどない。こちらもL2キャッシュ増量の恩恵はまったくないようだ。
このような大量のデータを一度に利用する3Dレンダリング処理テストも、キャッシュ容量より動作クロックやCPU内部の演算ユニットの数が大きく効いてくるなのだ。なお、このテストでも、Athlon 64 3800+はPentium D 920を大きく引き離している。
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