東芝は1月10日、ノートPCとしては初(2006年1月現在)となるフルHDパネル採用/地デジチューナー搭載ノートPC「Qosmio G30」シリーズ3モデルを発表、2月下旬より発売する。価格はオープン、予想実売価格は30万円前後から。
ほか、Core Duo搭載のミドルクラスAVノート「dynabook VX」、1スピンドルの超薄型モバイルノート「dynabook SS SX」も同時に発表された。
Qosmio G30シリーズは、「“あなたの欲しい”をすべてかなえる、すべてにおいて一歩先行くAVノート」(東芝執行役上席常務 PC&ネットワーク社社長 能仲氏)、というテーマにて投入される同社AV志向ノートPC」におけるハイエンドモデルとなる。ノートPCとしては世界初(2006年1月現在)となる地上デジタルチューナー+アナログチューナーのダブルチューナーに、1920×1200ドット(WUXGA)表示対応の17インチワイド/フルHD液晶パネル、1ビットデジタルアンプ+バスレフ型harman/kardon製スピーカーの搭載などを主な特徴とする。
東芝執行役上席常務 PC&ネットワーク社社長 能仲久嗣氏は昨年2005年を振り返り、ノートPC国内シェア20.4%で2位、AVノートを中心とする国内個人向け市場では19.9%となるシェアトップを獲得し、国産ノートPC投入から20周年を迎えた年として大変意義のあるものだったと語る。昨年はあわせて、ノートPCにおける世界累計出荷台数4000万台を達成した。
今年2006年は、ドイツワールドカップやトリノオリンピックなど大型スポーツイベントを中心とする“地上デジタル放送カバーエリアのさらなる拡大と普及”、HD DVDやWindows Vista、デュアルコアプロセッサなどの“次世代PCプラットフォーム・テクノロジの投入”、加えてコンテンツ多様化/ワイドコンテンツ増加など、HD(ハイ・ディフィニション)化が加速されることにより「PCを取り巻く環境が劇的に変化する年」となる。同社はこれらの変化に対応すべく、ユーザー利便性をさらに向上させ、スムースに移行させることができるよう環境を整え、用意し、製品を投入していくことが勤めであると意気込みを述べ、PC分野としてもQosmioシリーズを軸にHD対応化された製品を投入していく。
今回の新モデルQosmio G30シリーズは、フルHD表示が可能な17インチワイド1920×1200ドットパネルに地デジ+アナログダブルチューナーの搭載が大きな特徴の1つとなっている。このパネル含む同モジュールは、同社家庭向けTV「face」シリーズの開発グループと共同開発がなされたのもので、ノートPCに搭載するための小型化や省電力化は他分野でも有効活用できうる技術であるとしている。
なお同シリーズに搭載される小型の地上デジタルチューナーモジュールをはじめとする実装技術、放熱技術、地デジ/アナログ両放送を同一ソフトでコントロールする新たなソフトウェア「Qosmio AV Center」、BIOS・ドライバまで、開発・設計・生産・製造のすべてをまかなえるノートPC専業メーカーとしての強みも強調する。
新たに開発されたノートPC搭載にも対応する小型の地デジチューナーモジュール+アナログTVチューナーにより、デジタル/アナログの同時録画に対応し、独自暗号化技術の搭載によりHDDへのハイビジョン録画も行え、SD画像に変換しDVD-RAMへ録画可能なアップグレードも用意される予定(3月公開予定)。HD DVDドライブに関しては、技術的には著作権保護部分の件を除き、ほぼ完成しているとし、先頃CESで公開され、春先に投入を予定する家庭用HD DVDプレーヤー(関連記事参照)とほぼ同時期に、PC用のものも投入していきたいとしている。
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