書き込み機能ではAUTOSTRATEGYが強化されている点に注目したい。AUTOSTRATEGYは、DVD±Rメディアの品質を測定し、最適な記録条件をドライブ自身が判断・修正する機能だ。PX-755Aでは「ストラテジ」の作成時間が従来の2〜4分程度から1分20秒程度に高速化している。またメディアの解析にブランクメディアを1枚消費するフルモードと、OPCエリア(試し書き用のエリア)を利用してストラテジを作成するクイックモードの2種類を搭載。フルモードでは、複数の書き込み速度に対応したストラテジを作成できるので、よく使うメディアを利用するときは、メディアを1枚消費してでも詳細なストラテジを作成しておくとよい。
さらにデフォルトのオート以外にも全部で4つのAUTOSTRATEGYモードを備え、ストラテジの作成についてユーザーの意志を反映しやすくなった。オートで利用した場合、初めて利用するメディアについてはストラテジが自動で作成されるため、書き終えるまで1分少々プラス書き込み時間がかかる。知らないと書き始めるまで時間がかかるので驚くが、2回め以降は即座に書き込みを開始できるので安心してほしい。
PX-755AはCD/DVDメディアの品質をテストできる「 PlexTools Professional」を筆頭に、ライティングソフト「Zulu2」や、DVDを活用するための各種ソフトを同梱している。
PlexTools Professionalは、書き込み済みメディアの品質を測定できるハイエンドユーザー向けのツールだ。上位モデルのPX-760シリーズと共通で、PI/POエラー、Beta値/ジッターなどを手軽に調べることができる。新機能として、記録済みのDVD±RやCD-Rメディアに対してデータを読み出し不可能(破壊)にする「PlexEraser」機能を搭載する。これはメディアを物理的に破壊するのではなく、ドライブがメディアを認識できないようにするものだ。廃棄メディアから個人情報などが漏洩するのを防ぐのに活用できる。そのほか「静音モード」を搭載しており、メディアの読み出しを低速に行うことで静音性を高める設定も可能だ。
Zulu2は、最大16台のドライブで同時記録が可能なライティングソフトだ。複数の異なるデータを複数のドライブに対して書き込めるだけでなく、マルチスレッドに対応し安定した動作を実現している。2台以上のドライブでデータを大量に書き込みたいユーザーにうれしい機能だ。ちなみにソフト単体で購入した場合はダウンロード版で7140円もする。PX-755Aの価格を考えるとコストパフォーマンスは高い。
そのほかDVDを活用するためのソフトとして、DVD再生ソフトの「PowerDVD 6」をはじめ、ライティングソフトの「Power2Go 4」、DVDオーサリングソフトの「PowerProducer 3」、動画編集ソフトの「PowerDirector 4」などを同梱する。必要な環境がすべてそろうという点では十分すぎるほどの内容だ。
PX-755Aでネックとなるのは、DVD-RAMメディアの読み書きに非対応という点だ。対応メディアの種類では、2層DVD±R記録をサポートしたDVDスーパーマルチドライブに分がある。ただDVD±Rメディアへの書き込みは16倍速が頭打ちとなっているものの、DVD±R DLやDVD±RWの速度は確実に上がっている。とくに今回、DVD+R DL 10倍速を実現したことで、2層メディアへの書き込みを重視するユーザーにはメリットが大きい。加えて専用ツールによる各種メディアの品質テストを手軽に行えるのも大きな魅力だ。書き込み速度の高速化を検討している人や、メディアの記録品質にこだわりたい人におすすめしたい。
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