112Mbpsを実現──ギガビット対応になったNASキット「GLAN Tank」のパフォーマンスをチェックする(1/4 ページ)

» 2006年05月15日 16時41分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
photo 挑戦者「GLAN Tank」(SOTO-HDLGW)。実売価格は2万4000円前後(+D Shoppingで最安値をチェックする)

 アイ・オー・データ機器のサブブランド“挑戦者”から発売される「GLAN Tank」(SOTO-HDLGW)は、iTunesサーバとしても動作するNAS組み立てキットLAN Tankレビュー参照)の上位バージョンに位置付けられる製品だ。

 ハードウェア面で大きく強化されたのは、ギガビットLAN対応と構成チップである。ギガビットLANコントローラにIntel 82541PIを、CPUにポケットPCなどで馴染みのあるIntel XScale/400MHzを採用した。そしてLAN Tank同様に最大2基の3.5インチHDD(IDE)を内蔵でき、2基搭載時にはミラーリング、またはスパンニングでの運用が可能となっている。

 NASとして動作させるためのOSは、HDDを本体に組み込む前に別のPCを使ってインストールする(関連記事参照)。搭載予定のHDDを別のPCのIDEポートに接続して付属のCD-ROMから起動し、OSをインストールしていくという流れとなる。なお現在のPCの多くは、USB接続タイプの外付け光学ドライブから起動できるようになっているが、本機用のOSはCDから直接起動するインストーラがネイティブにはUSBに対応していないため、IDE接続された光学ドライブが必要だ。同様の理由でHDDをUSB接続してもインストーラで認識されないためにノートPCでの作業は困難となる。原則として導入にはデスクトップPCが必要になる。

photophoto Ultra ATAタイプの3.5インチHDDを2基並列に搭載できる(写真=左)。ギガビットLANコントローラにIntel 82541PIを、CPUにIntel XScale/400MHzを採用し、転送速度向上のための性能アップが図られた

 OSはLAN Tankに続いてDebian(Debian GNU/Linux 3.1 Sarge Linux Lernel 2.6.10)ベースのものを採用する。PCからのファイルアクセスに利用するWebDAVは「Apache2/mod_dav」に変更され、Mac OS Xからのファイルアクセスも可能となった。ただし多くのNASがそうであるように、文字コードの違いからWindowsとMac OS Xではファイル名に若干の非互換問題がある。一部の日本語ファイル名では互いのOSからアクセスができない場合がある。

 マルチメディアサーバ機能はiTunes対応のDAAPサーバ、アイ・オー・データ機器のAVeL Link Playerなどからアクセス可能なWizdが標準でインストール済みとなる。なおLAN Tankではファイルのアップロード用としてftpdが動作していたが、本機は標準では動作していない。

 本体に実装するUSBポートは4ポートに増えた。標準構成でマスストレージクラスのUSBストレージデバイス(HDDやUSBメモリなど)を接続し、内蔵したHDDと同様にWebDAV経由でアクセスできる。使用中のUSB外付けHDDなどをそのまま接続できるが、この場合にサポートされるファイルシステムはFAT32のみとなる。またこの増加により上級ユーザーにとっては、USB接続タイプのVGAアダプタ「サインはVGA」とUSBキーボード&マウスを組み合わせて接続できるようになった。

photophoto 実装USBポートは、従来モデルの2基から4基へ増えた

敷居が低くなった導入作業

photo インストーラでは5通りの構成が選択できる。この次の行程でインストール先のHDD選択画面が表示されるが、すでに中身のある(Windowsなどがインストールされている)HDDでもばっさりと初期化されてしまうので作業は十分注意したい。本機用として使うHDD以外は、一時的に外してしまう(電源ケーブルを抜くだけでも十分)のが安全だ

 では実際に導入してみよう。冒頭で触れた通り、インストールの手順はLAN Tankとほぼ同様だが、OSインストール時に、搭載するHDDをどのように利用するかを決める設定メニューが増えている。HDDを2基搭載する場合にはミラーリング(RAID 1/同一のデータを複数のHDDに記録し、一方のディスクが故障しても他方でリカバリできるようにするもの)かスパンニング(2基のHDD容量を合算し、1基のHDDにて認識させるもの)を選択できる。またLinuxボックスとしての活用を想定する上級者向けに、NAS機能を有効にせず、OSであるDebianのみをインストールすることもできる。

 このインストーラは、ミラーリング運用における復旧用としても活用可能だ。ミラーリング運用していたHDDの1基が故障した場合に新たなHDDに復旧用としてOSをインストールし、このHDDをマスターとして組み込ますことで、起動時に自動的に再ビルド作業が行われる仕組みとなっている。

 OSをインストールしたHDDをマスターにして、1基もしくは2基のHDDをマニュアルに従って作業していく。ジャンパーピンにより、1基めのHDDはマスターに、(2基組み込む場合には)2基めのHDDをスレーブに設定する。また本体ケースは、LAN Tank同様に一度組み立ててしまうと上下のカバーの取り外しが面倒(若干コツがいる。無理に作業すると固定用のつめが折れる可能性がある)なので、動作が確認できるまでは上下のカバーは取り付けない方がよいだろう。

 HDDを組み込み、電源を入れるとOSの初期化作業が開始する。起動中や初期化作業中は緑の電源LEDが点滅し、短いブザー音が断続的に鳴る。NASとして動作可能になると長いブザー音と共に電源LEDが点灯に切り替わる。ミニマム構成といえるHDDを1基のみ組み込んだ場合の初回起動時に要する時間は、3分程度である。

 ごく基本的な設定作業はブラウザから操作できるWebツールから行う。本機のIPアドレスは初期状態では「192.168.0.201」に設定されており、PC側のIPアドレスを同じサブネットになる「192.168.0.xxx」に変更してから設定作業を行う。LANポートはAuto MDI/MDIX対応なので、LANケーブルの種類を気にせず、PCと直結して設定作業を行うこともできる。LAN Tankでも背面のスイッチ操作で変更ができたが、多少楽になった。

 ブラウザから「http://192.168.0.201/」にアクセスすると設定画面が表示される。まずは「ネットワーク設定」メニューから、IP Address(IPアドレス)を使用しているLANのサブネットに合わせる。デフォルトゲートウェイアドレスやDNSサーバアドレスの設定も必要だが、このあたりは前モデルLAN Tankのレビューを参考にして欲しい。なおLAN Tankのツールで見られたデフォルトゲートウェイアドレスとDNSサーバアドレスの設定が反映されないトラブルは解消されている。

photo iTunesから、本機は「GLAN Tank Music」という名称のサーバとして認識され、本機内の音楽ファイルを共有できる

 まずは、音楽・動画ファイルの共有機能を使ってみよう。PCから本機へ音楽ファイルをコピーしたら、iTunesを起動する。起動すると「GLAN Tank Music」が自動で認識され、これをクリックすると本機の“sounds”フォルダ内の音楽ファイルが一覧で表示され、再生できるようになる。

 ネットワークメディアプレーヤーから操作する場合でも、同じくサーバとして本機が認識される。対応する動画や音楽、画像ファイルの再生・表示が可能だ。なお、最新のiTunes(6.0.4x以降)に対応するには挑戦者のサイトで公開されているパッチ(mt-daapdアップデータ 0.2.4-1)を導入する。また、本機内のデータはiPodと同期させることはできない。


photophoto 「AVeL LinkPlayer AVLP/DVDG」などのネットワークメディアプレーヤーからも本機内のファイルを参照できる。LAN内に本機が存在すると、自動でメディアサーバとして認識される仕組みだ。PCがサーバの場合と使い勝手は大きく変わらない

 ちなみにMP3ファイルのID3タグの文字コードがShift-JISの場合、iTunesで文字化けを起こしてしまう点はLAN Tankと同じだ。DAAPサーバである「mt-daapd」にShift-JIS対応のパッチを当てるのも方法の1つだが、転送前にIDタグを、本機で表示可能なUTF-8にPCでまとめて変更するほうが作業は楽だ。作業には「SuperTagEditor改 Plugin Version」などのフリーソフトを利用すると一括でID3タグの文字コードをUTF-8に変更できる。なお、UTF-8の文字コードはiTunesやWindows Media Playerの場合、特に問題は発生しないが、逆に一部のMP3プレーヤーで文字化けが発生する場合がある点には注意したい。

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