112Mbpsを実現──ギガビット対応になったNASキット「GLAN Tank」のパフォーマンスをチェックする(4/4 ページ)

» 2006年05月15日 16時41分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

スクリプトのぷち改造でNTFSの外付けHDDもマウント可能にしてみる

 LAN Tankもそうだったが、Windowsユーザーにとって本機でもちょっと悩みの種が、USB接続したHDDはFATのパーティションしか認識しないこと。2〜3年前ならともかく、いい加減、外付けHDDでもFAT32パーティションを使っているユーザーはそう多くないだろう。なお本機で採用するDebianではNTFSパーティションもリードオンリーでマウントできる。手動でマウント作業をしたり、usbmountを導入するとUSBストレージの接続や取り外しに合わせて自動でマウント/アンマウントすることもできる。

 もっとも現状のusbmountはFATパーティションの処理が完全でない動きをすることもあり、USBストレージを取り外す前に手動でsync処理を行わないと、書き込んだ内容が破壊されてしまうこともある。usbmountで自動マウントするのはNTFSパーティションだけに限定し、FATパーティションのマウントは本機本来の機能を活用する手もあるが、試用機では、usbmountを導入すると電源スイッチで電源オフができなくなる現象が見られた。

 そこでusbmountは使用せず、ブラウザからのUSB連携設定でNTFSパーティションをマウントできるようちょっと工夫してみた。USBストレージの接続や取り外しを行うのは「/var/www/cgi-bin/pod_exec.sh」というスクリプトである。これは「fdisk -l」で表示されるSCSI接続(usb接続のストレージはSCSI接続として扱われる)のストレージ内のFATのパーティションを見つけ出してパーティション一覧に表示し、この情報をもとにパーティションのマウント、アンマウントを実行しているものだ。それならばNTFSパーティションも検出するようにして、NTFSパーティション用のマウント作業を追加してやればいいわけだ。

 変更した部分は下図を参照願いたい。1つめはパーティションを検出する部分で、FATのパーティションだけでなくNTFSパーティションも検出するようにした。これはキーワードとして「FAT」に「NTFS」を加えただけなので、わりと簡単だ。

 次は実際にマウントを実行する部分だ。マウントを指示されたパーティションのフォーマットをチェックし、NTFSならリードオンリーでマウント、FATなら従来通りのマウントを行うように変更し、さらにNTFSとFATで異なるブザー音にして識別できるように変更した。全面的に書き変えれば操作画面にパーティションタイプの表示などもできそうだが、この変更だけでも十分実用的に使えるだろう。

photo 「/var/www/cgi-bin/pod_exec.sh」の先頭の方にある変更部分。上がオリジナル、下が変更後
photo こちらは「/var/www/cgi-bin/pod_exec.sh」の最後の方にある2箇所目の変更部分。上がオリジナル、下が変更後だ。少々変更部分は多いが、それほど大掛かりな作業にはならないはずだ。ちなみに「buzcont」の後ろの数字を変更するとブザー音が変わる
photophoto 「先頭から基本パーティションでNTFS/FAT、論理パーティションでNTFS/FAT」の4つのパーティションを持つUSB外付けHDD、NTFSパーティションだけのUSB外付けHDD、FATフォーマットのUSBメモリを接続したところ。6つのドライブがしっかりと認識されている(画像=左)。順に「接続する」をクリックすると、すべてのドライブがマウントされる(画像=右)

photo mountコマンドでチェックすると、適切にマウント処理されている稼働かが判別できる
photo USBストレージに保存された楽曲ファイルのデータベース再構築を行うには「mt-daapd」サーバの設定画面からでも行える。またBonjourを導入していれば、サイドバーの「GLAN Tank Music」をダブルクリックするだけで設定画面を呼び出せる

 USBストレージ内のAACファイルやMP3ファイルにもiTunesからアクセスしたいなら、「/share/sounds/」に「/share/usb/」のシンボリックリンクを作成するだけでよい。具体的には「ln -s /share/usb/ /share/sounds/」を一度実行するのみだ。

 本機を再起動した場合、USBストレージをマウントしてからDAAPサービスを再起動させるとUSBストレージ内にある楽曲ファイルもiTunesに表示されるようになる。なおUSBストレージ内の楽曲が反映されない場合には、ブラウザから「http://(本機のIPアドレス、またはネットワーク名):3689」を開き、「id」「password」に「admin」を入力すると「mt-daaapd」の設定画面が表示される。ここにある「status」タブをクリックし、中段あたりにあるBackground Scanner欄の「Start Scan」を押せば、楽曲データベースが更新されるようになる。


パフォーマンス改善がうれしいNASキット。HDDを2台内蔵するならコストパフォーマンスも良好

 旧モデルに相当する(といっても併売されているが)LAN Tankと比較すると、単純にギガビットLAN対応になっただけでなく全般にパフォーマンスも改善されているのは、これから導入するユーザーにとっては特にうれしいところだと思われる。

 LAN Tankに見られたWebツールの些細なバグもなく、とりあえずマニュアルに従って組み立てればiTunesサーバ、wizdサーバとして動作するし、WebDAVでのファイル読み書きも実用レベルに改善された。LAN Tankと比較すると6、7000円ほど高価ではあるが、“転送速度”は導入すると特に気になってくるため、価格相応の価値は確実にある。なお、ギガビットLAN環境でSamba導入にて100Mbpsを超える転送速度を実現するとなれば、お古のPCをファイルサーバにするより動作音や消費電力、設置面積といった点でメリットも大きい。

 さて一時期は入手難な状態も続いた本機だが、2006年4月現在では入手も容易だ。価格は25000円前後と250GバイトHDD内蔵のNAS製品が購入できるほどの価格だが、手持ちのHDDを活用すると想定すればコストパフォーマンスは悪くないだろうし、RAIDにも対応、さらにNTFSフォーマットの外付けHDDを増加する作業も意外と簡単に対応できる。このようなことができるのも、ほぼLinuxであるいう本機ならではだ。NASが欲しいというだけでなく、遊びの要素も欲しい人には楽しい製品の1つであることは間違いないだろう。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月13日 更新
  1. 6500円でデスクに新風! Thermalrightの小型液晶がヒット、背景にメモリ高騰? (2026年02月09日)
  2. ワコムが安い? 驚きの2025年を振り返り メモリ高騰におびえる2026年の「自作PC冬眠」と「次世代CPU」への期待 (2026年02月12日)
  3. キンタロー。も驚くほぼ「入力ゼロ」の“次世代”確定申告 2026年の弥生は3つのAI活用とデスクトップ製品強化を両輪に (2026年02月12日)
  4. 元Appleのジョナサン・アイブが手掛けるフェラーリ初EVの内装デザイン公開 物理ボタンとデジタルの融合 (2026年02月10日)
  5. 新ARグラス「XREAL 1S」を試す 解像度と輝度が向上、BOSEサウンドで没入感アップ “3D変換”も大きな魅力 (2026年02月10日)
  6. マウス社長が3日間“フル参戦”した理由とは? 大阪・梅田のど真ん中で起きた“eスポーツ×地域振興”の化学反応 (2026年02月11日)
  7. アイ・オー、拡張ドック機能を備えたType-C接続対応の27型4K液晶ディスプレイ (2026年02月12日)
  8. ASRock、“CPU起動トラブルを解決”するSocket AM5マザー用のβ版BIOSを公開 (2026年02月10日)
  9. 「雲」から降りてきたAIは「パーソナル」な存在になれるのか――開催から1カ月経過した「CES 2026」を振り返る (2026年02月12日)
  10. 梅田の街がeスポーツに染まった3日間――「Osaka GeN Scramble」で見えた、地域とデバイスが融合する最新イベントの形 (2026年02月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年