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レビュー
» 2006年07月13日 15時00分 公開

お金で買えないデータのために――ライフボート「LB Image Backup 7 Server」 (1/2)

SOHO向けのサーバ用バックアップソフトに求められるのは、クライアントOS用の使いやすさとサーバOS用の可用性の高さ、そして環境の変化に追従できる柔軟性だ。

[瓜生聖,ITmedia]

 ライフボートからサーバ用イメージバックアップソフト「LB Image Backup 7 Server」が発売された。クライアントOS版ゆずりのウィザード形式によるインタフェースを持ちながら、サーバ用としての可用性、柔軟性を高めた1本だ。

 さて、LB Image Backup 7 Serverの機能を紹介する前に、現在のサーバOSをとりまく状況を振り返っておこう。サーバと非サーバ(クライアントやスタンドアロン)は、その処理能力もさることながら、信頼性の点で大きな違いがある。サーバは高品質な電子部品を採用し、トラブルの起こりにくい設計と、仮にトラブルが起きても迅速に復旧できる仕組みを実装していることが多い。

 ただし、最近のSOHOをはじめとする中小規模の事業所などでは、社内インフラ用のサーバとしてタワー型PCを採用している場合がある。その最大の理由は導入コストを抑えるためだ。サーバの低価格化は、

  • 大量生産され、対応製品の価格が下がっている規格の採用
  • 冗長化の省略
  • CPU・メモリ・OSのスペックダウン

などによってもたらされる。つまり、サーバにおけるコスト削減は、処理能力だけでなく、システムの信頼性ともトレードオフの関係にあるわけだ。これはミドルレンジ以上のサーバで一般的といえるSCSI RAID5と、低価格サーバのIDE RAIDなしを比較すれば明らかだろう。しかしその一方で、扱うデータの重要度とサーバの価格は必ずしもリンクしていない。

HDDは壊れるのが当然!?

 安価なサーバであれば障害の起こる可能性が高いことを当然考慮に入れておく必要がある。また、HDDの寿命はMTBF(平均故障間隔)で20万時間以上と言われてはいるものの、高温になると著しく故障率が高くなることから、一説には5年程度とも言われる。しかし、HDDのバイト単価は年々下落しており、結果的にHDDの寿命を迎える前に買い換えているユーザーが多いため、HDDが消耗品であるという認識は浸透していないのが現状だ。

 エンタープライズ向け製品に関しては運用・保守まで含めたシステム構築を発注することが一般的で、ユーザー側がバックアップの方法について気にする必要はそれほどないかもしれない。だが、SOHOの場合はバックアップソフトの選定も含めて、システム管理者自身が検討、運用しなければならないことが多い。

 ドッグイヤーと言われるIT業界において、SOHOやベンチャー企業はとくに時間の流れが早い。かのソフトバンクの孫社長は「朝令暮改では遅すぎる」と言ったという逸話がある。ましてやベンチャーなどでは言わずもがな、毎月従業員が倍々で増えていったり、毎年のように引越しをすることも珍しくない。

 そのような激しい変化が想定される中では、システムの構成やソフトウェアは、柔軟性の高いものであることが望ましい。例えば「メンテナンスとして毎日サービス停止時間を確保できたのが24時間稼動に変わった。このためサービスを停止させなければ利用できない今までのバックアップソフトが使えなくなった」という場合もある。また「ExchangeServerやSQLServerを後から導入したが、それ以前に導入したバックアップソフトが実はこれらに対応していなかった(そしてそのことに障害が発生するまで気付かなかった)」という最悪のケースもありうる。バックアップソフトの可用性と柔軟性は、とくにSOHOでは非常に重要なファクターといえる。

サービスを止めずにバックアップ

 さて、LB Image Backup 7 Serverのバックアップ方法は大きく分けて2つある。1つはサーバOS上でバックアップを行うオンラインバックアップ。そしてもう1つは製品CDから起動して行うコールドバックアップだ。

 オンラインバックアップは、Windows Server 2003/Windows XP Professionalに搭載されているVSS(Volume Shadow Copy Service)に対応しており、SQLServerやExchangeServer、ORACLEなどのサービスを停止することなく、整合性を保ったままバックアップできるのが特徴だ。また、VSSに対応していないOS、例えばWindows 2000 Server/ProfessionalでもParagon社の技術であるParagonホットプロセッシングによってオンラインバックアップが行える。ただし、この場合はSQLServer、ExchangeServer、ORACLEでは整合性が保証できないので注意してほしい。

 では、Windows Server 2003/Windows XP ProfessionalではParagonホットプロセッシングの利用価値がないかといえばそうではない。VSSはあくまでバックアップのための仕組みであるのに対し、Paragonホットプロセッシングはデータのコピーを作成できる。稼動しているHDDと同じ構成のHDDをもう1セット用意してそこにコピーするようにしておけば、HDDを交換するだけでバックアップ時の状態に簡単に戻すことができる。

 一方、コールドバックアップではサーバを停止させたうえで再起動が必要となるため、定期的なバックアップとしては利用できない。だが、この方法だとシステム構築直後のクリーンな状態のバックアップ/コピーがOSを問わず可能だという利点がある。また、定期的なバックアップのためにイメージを丸ごとバックアップする完全バックアップのほか、基点となるバックアップファイル以降の差分のみを出力する差分バックアップも選択できる。これらはウィザード形式で設定できるため、初めての人でも迷うことなく設定できるはずだ。

Windowsを動作させたまま、システムのイメージバックアップが可能なホットプロセッシング技術。マイクロソフトの技術VSSのほか、独自開発のParagonホットプロセッシングが選択可能だ(画面=左)。バックアップの対象にはパーティション全体、ディスク全体のほか、HDDの先頭トラックであるMBRなども指定できる(画面=右)

多彩なオプションを用意

 これらのバックアップ先としては、IDE/SCSI/SATAなどの内蔵HDDと、USB/IEEE1394などの外付けHDD、NASなどのネットワークドライブに対応している。ただ、CD起動によるバックアップの場合は独自OSによる動作のため、Windowsで認識できるドライブやネットワークアダプタであっても必ずしも利用できるとは限らない。一方、オンラインバックアップの場合はWindowsを通じてドライブへアクセスするため、そのような心配は無用だ。

 バックアップ時に指定できる項目は圧縮率とパスワード、そしてコメントなどの一般的なものだ。コメントには日本語も使用できる。なお、バックアップファイル名を指定しない場合には時刻を基に自動生成してくれる。

 処理中および処理後には、バックアップ操作の統計として読み取り時間と書き取り時間、速度などが表示される。データの増加にともなって、どれくらい時間がかかるのかを見積もる目安となる、ちょっと気の利いた機能だ。

ページファイルは巨大であり、かつ、変更頻度が高いファイルでありながらバックアップする必要のないファイルだ。チェックボックス1つでスキップするように設定できる(画面=左)。どれくらいの速度でバックアップが行われたかは一目瞭然だ。圧縮率によって書き込みの速度は変化する(画面=右)
仮想モードを使用すれば操作中に選択した処理は一旦保留され、明示的に実行ボタンを押すことで実行される(画面=左)。ログ、処理内容などを通知する電子メールオプション。管理者にとってはありがたい機能だ(画面=右)
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