「革新的なノートPCは優れた電力効率を求める」──インテルがConroeとMeromにかける期待

» 2006年07月27日 18時04分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 きょう正式発表となったのは、デスクトップ向けの「Intel Core2 Extreme」「Intel Core2 Duo」の5モデルとモバイルPC向け「Intel Core2 Duo」の5モデル。それからチップセットとしてIntel Core2 Duo対応をうたった「Intel G965 Express」もきょう正式発表された。

 新製品の説明会で吉田和正氏(インテル代表取締役共同社長)は、新しいマイクロアーキテクチャについて、Pentium 4に代表されるNetBurstアーキテクチャとPentium Mに代表されるモバイル向けアーキテクチャ(開発コード名で言うところのBaniasやDothan)の両方からいいところを採用したとアピール。(Intel Core2 Duoで実現した)「高い性能と優れた電力効率を市場に提供することで、さらに魅力的な製品が開発されることを(インテルは)メーカーに期待する」(吉田氏)

 Intel Core2ファミリーの詳細を説明した阿部剛士氏(インテルマーケティング本部長)は、新しいアーキテクチャの性能を向上させる要素として5つの技術「インテル ワイド・ダイナミックエグゼキューション」「スマート・メモリー・アクセス」「インテル アドバンスド・スマート・キャッシュ」「インテル インテリジェント・パワー機能」「インテル アドバンスド・メディア・ブースト」を紹介した。

 インテル ワイド・ダイナミック・エグゼキューションは14段のパイプラインで構成される「ワイドパイプ」と命令実行を制御する「マイクロフュージョン」で構成される。Intel Core2のワイドパイプでは同時に発行される命令が従来の3つから4つに増やされ、また、マイクロフュージョンでは条件分岐などの一般的な命令において従来2つの命令で処理していたものを1つのクロックサイクルで実行する。これらのおかげで「同クロック動作において性能は33%向上する」と阿部氏は説明している。

 また、インテル アドバンスド・メディア・ブーストは従来のSSE(ストリーミングSIMD命令)を改良発展させた機能で、SSEでは128ビットの命令セットを64ビットに分割して2クロックサイクルで実行していたものを、インテル・アドバンスド・メディア・ブーストでは128ビット命令を分割することなく一括してワンクロックで実行するように改善されている。

 ほかにも、インテル スマート・メモリー・アクセスではマイクロコードがより効率よく処理されるように実行の順番を制御し、インテル アドバンスド・スマート・キャッシュでは組み込まれた2つのコアの負荷にあわせてそれぞれにL2キャッシュが動的にアサインされる。インテル インテリジェント・パワー機能では電力管理の状態をより細かく、それぞれのコアごとに切り替えることで電力効率を向上させるなど、Intel Coreマイクロアーキテクチャは「かなり、革新的な5つのテクノロジーである」(阿部氏)とインテルはアピールしている。

 ゲストとして説明会に登場したスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏は、さらなる高性能CPUたいするゲーム業界の意見を述べた。そのなかで和田氏は、ゲーム業界の周辺で、高機能を求めるあまりにコストがかかりすぎて開発ができなくなっている現実や、性急に高性能だけを追求している開発姿勢に疑問の声が上がっていることを認めた上で、そのことから高性能システムの需要を否定するのは一方的な意見であって、現在のゲームにおいては進化の方向が多軸化しており、やはり“性能”は不可欠である、と語った。

(開発中のゲーム画面を示して)「この(美しい)画像が表現できたらユーザーは喜んでくれる。そのためにも性能は必要。美しい画面(を表現すること)はクリエーターの魂でもある」「確かに(開発)コストはかかるが、ユーザーの求めるものをユーザーに提供するためならば、その問題は収益モデルで解決するべきだ」(以上、和田氏)

 開発コード名「Merom」ことモバイルPC向けのIntel Core2 Duoについて阿部氏は、最大4Mバイトの共有キャッシュを紹介するとともに、Intel Core Duoと互換性のあるピン配列の採用と64ビットコンピューティング「インテル 64テクノロジー」(従来EM64Tと称していたものを改名した)のサポートを取り上げている。「ピンコンパチブルのおかげでNapaプラットフォームからスムーズに移行できる。PCメーカーから早期に対応製品が登場することをインテルは期待している」(阿部氏)

 質疑応答でAMDとの差別化について質問された吉田氏は「いまは競争より市場の活性化が重要。新しいアーキテクチャを搭載したPCが潜在市場に対する働きかけとなる」とConroeコア、MeromコアCPUが沈滞している2006年の市場の活性となる期待ものぞかせていた。

インテルが示したPentium D 960(動作クロック3.60GHz)とIntel Core2 Duo(Conroeコア)E6700搭載システムのパフォーマンス比較。性能は40%向上し、消費電力は40%削減されている
同じくインテルが示したPentium M 760とIntel Core2 Duo(Meromコア) T7600搭載システムのパフォーマンス比較。性能は100%向上し、消費電力は40%削減された

発表会会場ではCineBench 2003を使ったパフォーマンス比較とワットチェッカーで表示される消費電力の比較も紹介された
インテルはIntel G965も同日に正式発表している。発表会場には写真にあるIntel G965搭載のpicoBTXマザー「DG965PZ “Pelzer”」やATXマザー「DG965RY “Roger City”」が展示されていた

ゲストとして登場したスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏は、ゲーム業界としても高性能のCPUを必要としているとアピール。ゲームベンチマーク「FRONT MISSION ONLINE benchmark」でIntel Core2 Extreme X6800のシステムはPentium D 940搭載システムより36%性能が向上している結果を紹介した

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