使い勝手を見ていくと、パームレストのさらりとした感触が心地よい。とくに汗をかきやすい夏場には、パームレストが手のひらに張り付く感触が不快に感じられるが、本機のパームレストには快適な肌触りの塗装が施されたため、長時間にわたってキーボードに手を置いても不快感を覚えることはなかった。ちなみに、キーボード左下の「Fn」キーと「Ctrl」キーは、BIOSセットアップでキーアサインを入れ替えられる。
静粛性の高さも特筆できる。CPUの冷却ファンに比較的口径の大きい流体軸受けタイプを採用したことでファンの風切り音を抑えたほか、回転数をきめ細かく制御することで、余計なノイズの発生を防止している。実際にシステムに高い負荷をかけた状態で本体左側面にある排気口に手をかざしたところ、アイドリング時に比べ風量が増しているのがはっきり感じられたが、それでもファンのノイズや風切り音が耳障りに感じることはなく、キーボードやパームレストの発熱も許容できる範囲にとどまり、快適に試用することができた。
システムの変更にともなってコネクタの配置が大幅に変わり、アクセスしやすくなっている。まずUSB 2.0ポートが3基から4基に増え、これまではすべて背面にまとまっていたのが左右に1基ずつ並べられたのが好ましい。加えて、PCカードアダプタで供給されていたSDメモリーカード/メモリースティックPRO/xDピクチャカードのメモリカードリーダ/ライタが本体内蔵となり、利便性が高まっている。
ほかにも、有線LANがギガビットLAN対応となり、ステレオスピーカの出力が1.5ワット+1.5ワット(従来は1.0ワット+1.0ワット)に向上したりと、細かなブラッシュアップがなされている。直販モデルでは、従来のアドバンストタイプのみ選択できたFeliCaポートの内蔵が可能になったのも気になるところだ。対応カードをかざすだけでスクリーンセーバーのロックを解除したり、Web上の入力フォームによく入力する情報を書き込んだりと、入金/残高管理だけでなくセキュリティの向上に役立てることもできる。
デュアルコアCPUの採用を筆頭に基本性能の底上げを図ったほか、液晶ディスプレイのワイド化やデザインの大幅な改良によって、現時点では上位モデルを凌駕する魅力を備えた1台といえる。最小構成の価格で12万円台半ばという手ごろな価格もポイントが高く、デュアルコアCPUとAirTVを選択しても20万円を下回ることが可能と、幅のあるBTOメニューも好印象だ。ソニーのVAIO type Fや東芝のdynabook AX/dynabook Satellite AW5といった有力なライバル機とも互角以上の闘いを見せてくれるに違いない。
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