日立製“PC付き地デジTV”のできばえは?──「Prius One type W/AW35W1S」:2006年・秋冬モデル(1/2 ページ)

» 2006年09月06日 15時00分 公開
[小川夏樹,ITmedia]

ラインアップが拡充したPriusの秋冬モデル

20インチワイド液晶を備えた一体型のPrius One type W

 9月6日、日立製作所がPriusシリーズの2006年秋冬モデルを発表した。外付けの地上デジタル放送チューナーを同梱した「PriusNote」の復活が目玉と言えるが、デスクトップPCでもボディデザインを変更したセパレート型の「Prius Air」も気になるところだ。

 ここで取り上げる液晶一体型PCの「Prius One」は、基本スペックの向上に加え使い勝手などの向上を図った、いわば“正常進化”モデルだ。ラインアップは20インチワイド液晶ディスプレイを備えたtype Wと、17インチワイド液晶ディスプレイを搭載したtype Sという従来どおりの構成だが、上位のtype WにIntel Core 2 Duo T5500(1.66GHz)とWindows XP Media Center Editionを採用したモデルが追加されたのがトピックと言える。これによりtype Wが2モデル、type Sが2モデル(うち1モデルは7月6日発表のAW31S1Rが継続販売)という陣容になった。

 ここで紹介するPrius One type W(AW37W1S)は、ラインアップ上でミドルレンジに位置するモデルで、使い勝手を向上させることによって新モデルとしての価値を高めているのが特徴だ。なお、本機の実売価格は25万円前後で、発売は9月16日の予定となっている。

ワンタッチで地デジが見られる“新エコ・ポン・パッ”を装備

 Prius One type Wシリーズ新モデルの特徴は、ワンタッチで地デジ番組をすぐに楽しめるTVモード“エコ・ポン・パッ”を実装した点にある。少々大げさに言えば、これまでの「パソテレ」から「テレパソ」へと変化しているわけだ。従来はあくまでも「PCにTV機能を搭載する」製品に近かったが、同社が「PC機能付き地デジTV」と呼ぶようにTVにPC機能を付加した製品へと大きく変化している(ちなみに、セパレートタイプのPrius Air type Rは“地デジTV付き高性能PC”がキャッチフレーズだ)。

 具体的に見ていくと、テレパソといった言葉が示す通り本機ではOSを起動せずにTV機能だけを楽しむことができるように進化した。もちろん、前モデルでも似たような処理は可能であった。リモコンの電源ボタンを押すと地デジ画面を表示しつつ、その裏でOSが起動し、OS起動後はランチャーのPrius Navigation4へと切り替わる仕組みになっていた。本機ではバックグラウンドでのOS起動なしでTV機能のみを利用できる「TVモード」を新たに搭載した。これにより、リモコンの電源ボタンを押してもOSを起動せずに約5秒で地デジ番組を視聴でき、かつOSを起動しないままの状態でTVを終了させることが可能になった。家電のTVと同じような使い勝手を実現したことで、それが「テレパソ」と呼べる理由になっているのである。もっとも、地上アナログ放送はこれまでと同じようにPCを起動する必要がある点は注意したい。

 もちろん、TVモード以外にも従来のように裏でOSを起動するモード「PCモード」に切り替えることも可能だ。ほかにも、録画した番組の盛り上がり部分だけを抽出して再生させる「いいとこ観(み)」機能の新ジャンルとして「ドラマ」が追加されている。地デジ番組のみ対応するこの機能は、地デジの字幕データからドラマの盛り上がりシーンを抽出し、それらをダイジェストで見せてくれる便利機能だ。さらにPCの読み上げ「読みワザ」が口語体をサポートし、より自然な形で文章を読み上げてくれるようになった。このような細かい使い勝手の向上を図ることで、前モデルよりも付加価値を向上させているわけだ。

「エコ・ポン・パッ」のTVモードとPCモードの切り替えは、Prius Navigation4の設定画面から指定できる(画面=左)。ドラマジャンルでの「いいとこ観」機能を利用するためには、地デジのチャンネル設定にある「番組表自動更新時刻の設定」を変更する必要がある(画面=中央)。Prius Navigation4のインタフェースは従来を受け継ぐ。細かな機能アップを図ることで使い勝手を向上させている(画面=右)

PCとしてのスペックアップは必要最低限

 PCのスペックを見ていくと、前モデルのPrius One type W/AW35W1Rに比べメインメモリが512Mバイトから1024Mバイト(グラフィックスメモリとしてメインメモリを最大128Mバイト利用する)へと増えている以外ほとんど変更されていない。メモリ自体の仕様もデスクトップPC用の240ピンではなく、ノートPC用の200ピンSO-DIMM(PC2-4200)のままだ。容量320GバイトのHDD(Serial ATA)も変わりない。

  また、CPUのCeleron M 420(1.60GHz/FSB 533MHz)、チップセットのMobile Intel 940GML Express、スリムタイプのDVDスーパーマルチドライブ(DVD±R DL対応)と、ノートPC向けのパーツで構成されているのも従来どおりだ。ボディの形状やカラーリング、付属キーボードや赤外線リモコンも夏モデルを受け継いでいるが、ワイヤレスマウスはデザインに手が加えられ、カラーも黒に改められた。

 一方、20インチワイドタイプのスーパーラスタービュー液晶ディスプレイは最大解像度が1360×768ドット(約1677万色表示)、800:1のコントラスト比に輝度は450カンデラ/平方メートル、上下/左右170度の広い視野角を持ち、表示クオリティに不満はない。画面調整用と輝度調整のボタンが本体前面に用意されており、微調整も容易に行える。

 アクセスしやすいボディ前面にはスロットインタイプのDVDスーパーマルチドライブのほか、1基のUSB 2.0端子、SDメモリカード/メモリースティックPro/xDピクチャーカードスロットが用意される。そのほかのインタフェースはすべて右側面にまとまっており、カバーを開けることでアクセスできる。

 カバー内には、100BASE-TX/10BASE-T対応の有線LANやFAXモデム、4基のUSB 2.0や4ピンのIEEE1394端子なども用意されている。インタフェースの構成に大きな不満はないものの(スペース的に余裕はあるはずなので、できればExpresカードスロットも欲しかった)、各端子にアクセスするためにはカバーを開ける必要があるので面倒だった。

20インチのワイド液晶ディスプレイは、IPSではないものの明るめで視認性は悪くない(写真=中央)。左側面は吸気口のみで(写真=左)、電源コネクタやインタフェースはすべて右側面にまとまっている(写真=右)

前面と同様に背面もすっきりとしたデザインを採用している(写真=左)。右の写真は背面のカバーを取り除いたところだ

メモリスロットは上部にあり、カバーを外すだけで簡単にアクセスできる(写真=左)。従来と同じくノートPC用の200ピンDIMMが採用されている。容量が1Gバイト(512Mバイト×2)に増えた。8センチ角のファンでCPUやチップセット、電源ユニットを冷却する(写真=中央)。PCIスロットは2本あり、地上デジタルと地上アナログチューナーがそれぞれ装着ずみだ(写真=右)。HDDベイは1基のみで増設はできない
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