クアッドコア“Kentsfield”で幸せになるのは誰だイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2006年11月02日 14時00分 公開
[笠原一輝,ITmedia]

 インテルは開発コード名「Kentsfield」と呼ばれるクアッドコアCPUをまもなく市場に投入する。製品名は「Core2 Extreme QX6700」と呼ばれ、クアッドコア(Quad Core)の頭文字“Q”をプロセッサナンバーに追加することで従来の「デュアルコア」Core2 ExtremeであるCore2 Extreme X6800と区別されている。今回は発表に先立ち、Core2 Extreme QX6700をテストする機会を得たので、速報としてベンチマーク結果とファーストインプレッションを紹介する。

マルチコアCPUを全開させるならOSやソフトウェアの対応が必須

 Core2 Extreme QX6700はPC向けとしては初めてとなるクアッドコアCPUだ。クアッドコアCPUとは、1つのCPUに4つのマイクロプロセッサコアが入っているという意味だ。複数のコアが入っているCPUのメリットは、デュアルコアCPUが登場したときに紹介してきたが、復習をかねてもう一度述べておこう。

 OSなどのソフトウェアは、何らかの処理をCPUに行わせる場合、スレッドと呼ばれる単位に分割して実行する。1つのCPUコアはこのスレッドを1つだけ実行できる(ハイパースレッディングでは“同時に複数”は実行できない)のだが、デュアルコアCPUはCPUコアが2つあるので同時に2つのスレッドが実行可能になる。同様に、クアッドコアになるとそれが4つということになる。

 現在のほとんどのOSは複数のスレッドを同時に実行できるようになっているが、CPUコアが1つしかないと同時には1つのスレッドしか処理することができない。このため、OSの側でスレッドの実行の順番を管理して実行していくことになる。デュアルコアであれば同時に2つのスレッドを並列処理できるし、クアッドコアであれば同時に4つのスレッドを並列処理することができるので処理能力が向上する。これがマルチコアと呼ばれるCPUで処理能力が向上する理由だ。

 ただし、処理能力を増すためには、OSやソフトウェアがスレッドを同時に複数発行して並列処理できるスレッドがたくさんなければ効果を発揮できない。同時に発行できるスレッドがいつも1つしかないと、CPUにコアがいくつあっても結果的に1つのコアしか使われないため処理能力は向上できない。つまり、デュアルコアやクアッドコアのCPUで性能を向上させるには、OSやソフトウェアそのものがスレッドの同時発行(マルチスレッドと呼ばれることが多い)に対応している必要があるのだ。

 すでにWindows XPやMac OS XなどのPC向け主要OSはマルチスレッドに対応しており、市販アプリケーションもマルチメディア系の編集ソフトウェアなどを中心にマルチスレッドに対応した製品が増えつつある。そうしたソフトウェアを利用することが、デュアルコアやクアッドコアCPUを選択する大前提になる。

2つのCore2 Duoを1つのプレートに搭載したCore2 Extreme QX6700

 Core2 Extreme QX6700の外形はCore2 ExtremeやCore2 Duoと同じLGA775のCPUになっており、Intel 975Xを搭載したマザーボードで利用できる。内部構造は、1つのCPUプレートにCore2 Duoが2つ搭載される形になっている。「2つのデュアルコアが1つのCPU上に封入されている」と理解すればいいだろう。

 動作クロックはCore2 Duoの最上位であるCore2 Duo E6700と同じ2.66GHzで、FSBも1066MHzと同じ。L2キャッシュは4Mバイトの共有キャッシュ(2つのコアが共有する)が2つで合計8Mバイトとなっている。このあたりの数値からも、「Core2 Extreme QX6700=デュアルCore2 Duo E6700」と思って差し支えない。ただし、Core2 Extreme X6800の動作クロック3GHzからCore2 Extreme QX6700のそれはやや下がっていることに留意していただきたい(とくにこれから見せるベンチマーク結果のグラフを参照するにあたっては)。

CPUの構成だけを代えてシステムの消費電力をワットチェッカーで測定した

 Core2 Extreme QX6700で注意しておきたいのが消費電力だ。とくに熱設計消費電力、あるいはTDP(Thermal Desgin Power)と呼ばれるピーク時の想定消費電力が130ワットと、従来のNetBurst系Pentium XE/Dと同じレベルになっている。Core2 DuoのTDPが65ワット、Core2 Extreme X6800では75ワットに下がっていたため、これらのクーラーユニットはファンが「FMB05A用」と呼ばれるPentium Dの95ワット向けのやや小振りのものでも大丈夫だったが、Core2 Extreme QX6700では「FMB05B用」と呼ばれる130ワット用のCPUクーラーユニットが必要になる。リテール向けのボックス製品はクーラーユニットが付属しているのでそれを使えば問題ないが、もし、自分で交換したい場合は、能力に余裕のある製品を組み込むようにしたい。

 ただ、いわゆる平均消費電力はTDPほどは高くないようだ。ここに掲げたグラフはシステムレベルで消費電力を測定したデータだが、アイドル時の消費電力もCore2 Duoに比べると高くなっているが、それでも倍にはなっていない(TDPはしっかりと“倍”になっているが)。実際にベンチマークなどを走らせると、もちろん消費電力は増えてしまうがそれでもPentium XE 965に比べれば明らかに減少している。

 このほか、VT、EIST、XD、Intel64などにもCore2 Duoと同様に対応している。実装されている機能は基本的には前出の通り「デュアルコアのCore2 Duo」と考えていいだろう。

Core2 Extreme QX6700。手前はヒートスプレッダを外した状態で「1つのCPUプレートに2つのデュアルコア」というのがよく分かる
インテルが示したCore2 Extreme QX6700内部構造のイメージ
今回評価作業で試用したCore2 Extreme QX6700の情報をCPU-Zで表示してみた。Nameに「E6700」とあってドキリとするがコアの数は4つ認識されている
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