Windows Vista(以下、Vista)の発売が2007年1月30日に決定した。Vistaを即座に導入しなければならないユーザーはそう多くないと思うが、この冬のボーナスなど年末に向けてPCの購入を考える場合、Vistaへの移行を無視するわけにはいかないだろう。またVistaが発売されれば、個人向けPCのプレインストールOSがVista一色になるのは見えており、Windows XPを使い続けるつもりの人がPCを購入する最後のタイミングにもなる。
いずれにせよWindows XP Home Editionのサポート期間はVista発売から2年とされているので(Vistaの発売開始が予定通りなら2009年1月に終了)、セキュリティ面を考慮するとそう遠くない時期にVistaへ移行せざるをえない。
そこで今回は、エプソンダイレクトのラインアップでミドルレンジに位置付けられる、デスクトップPC「MR3100」と、ノートPC「NJ2000」をピックアップし、評価用として配布されていたVista RC1をインストールしてそのパフォーマンスを検証したうえで、現在ならBTOでどのような構成がお勧めなのかを追求してみた。
詳細レビュー
システムを動作させるだけであれば、Vistaは現在販売されているPCにとって条件はさほど厳しくない。マイクロソフトはVistaの動作に必要なハードウェアガイドラインとして「Windows Vista Capable」「Windows Vista Premium Ready」の2つを提示しており、前者が最少のハードウェアリソースとなる。
そこで求められているのは、Windows XPが動作するハードウェアに加えて、動作クロックが800MHz以上のCPUと512Mバイト以上のメモリ、DirectX 9対応のグラフィックス機能、DVD-ROMドライブ(インストール時に必要)だ。つまり、ここ1〜2年の間に販売されたPCであれば、超低電圧タイプのCPUを搭載した多くのモデルでもこの条件を満たすことになる(1スピンドル機は外付けドライブが必要だが)。
ミドルレンジPCであれば、やはり「Aero Glass」が動作可能な「Windows Vista Premium Ready」の条件を満たすスペックで製品を購入したいところだろう。「Aero Glass」に関しては賛否両論あるだろうが、現時点でVistaを導入する大きな動機付けになることは間違いない。また「Aero Glass」では最終的にDirect 3Dを介してグラフィックスチップの3D描画エンジンを利用するため、従来のGDIで描画を行うデスクトップ環境よりもむしろ快適な動作となる可能性もある。
ちなみに「Windows Vista Premium Ready」を満たす条件は、1GHz以上の動作クロックのCPU、1Gバイト以上のメモリ、空き容量が15Gバイトを超える40Gバイト以上の容量を持つHDD、そしてDVD-ROMドライブだ。
ただ、グラフィックス機能は少し複雑で、DirectX 9対応、WDDMドライバにハードウェアピクセルシェーダー2.0と32ビットカラーの対応、さらに利用する解像度に応じたビデオメモリが求められる。具体的に言うと、シングルディスプレイ環境であれば、1280×1024ドットまでなら最低64Mバイト、1920×1200ドットまでなら最低128Mバイトで、それ以上の解像度だと最低256Mバイトが必要だ。
チップセット統合グラフィックスサブシステムを利用する場合も含めて、これからミドルレンジクラスのPCを購入しようと考えているのならば、条件として厳しいとまではいえないだろう。
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