YouTubeの基調講演は「時期尚早」2007 International CES

» 2007年01月07日 19時42分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 2007 International CESの基調講演に登場する顔ぶれは、これまでのハードウェア、ソフトウェア、オンラインサービス提供といった「研究開発に携わる企業」ではなく、コンテンツを供給する企業のトップが目立っている。筆者も先日の記事で、基調講演の顔ぶれの変化に40年を迎えたCESの節目を感じると述べたが、多くの人が同じ思いを感じたようで、CESを主催するCEA(米国家電協会)のCEOであるゲイリー・シャピロ氏が登場したグループミーティングでは、基調講演のスピーカーの顔ぶれが代わった理由を問う質問が相次いだ。

 シャピロ氏が「基調講演の人選はいつも注意して行っている」と述べてるように、基調講演のスピーカーはCEAが決定しているが、今回、コンテンツホルダーの企業のトップによる基調講演が多くなった理由として、シャピロ氏は、CECの事前登録者のなかで、コンテンツ関連の展示に注目している数が1万人を超えていることや、CESの将来として、とくにCBSのようなコンテンツの提供をサービスとして行っていく企業がこれからも増えていく見解を示している。

「コンピュータ産業における重要な人物で興味深い人」とシャピロ氏が語るビル・ゲイツ氏による開催前日の基調講演はCESの前夜祭ともいえる、定番のイベントとして多くの来場者から認識されている。そのゲイツ氏が登場する基調講演も今回のCESが最後になると考えられている。これは、CESにとって大きな痛手となるのではないだろうか。CESとしてゲイツ氏に代わるスピーカーをすでに考えているのだろうか。

 そのところをシャピロ氏に質問すると、逆に「だれがいいと思う?」という質問が返ってきた。2006年から2007年にかけてコンテンツ供給企業が台頭してきた経緯を思うとき、次の流れとして思いつくのが画像共有サイトの代表ともいうべき「YouTube」だ。影響を与える企業としては基調講演のスピーカーとしての資格もあると思うが、シャピロ氏は「たぶん、候補として考えられていたと思うが、彼らはまだ企業としての歴史が短い」という理由を挙げて、YouTubeがCESの基調講演に登場する可能性を否定している。

CESの主催団体であるCEAのCEOであるゲイリー・シャピロ氏

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