世界初のHD DVD-Rドライブ搭載AVノート――東芝「Qosmio G30/97A」でムーブを試す孤高のHD DVDノート(1/2 ページ)

» 2007年01月26日 17時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

書き込めるHD DVDドライブを待っていた!

HD DVD-Rドライブ搭載のQosmio G30/97A。2月下旬発売予定で、実売予想価格は40万円前後

 この春、東芝のノートPCで最も大きなトピックは、Qosmio G30の最上位モデル「Qosmio G30/97A」にHD DVD-Rドライブを初めて搭載したことだ。従来機は、地上デジタルTVチューナーを搭載する一方、HD DVD-ROMドライブを採用していたため、地上デジタル放送をHD画質でHDDに録画できても、光学メディアにムーブする場合、SD画質にダウンコンバートしてDVD-RAMに記録するしかなかった。HD DVD-Rドライブの搭載により、録画した地上デジタル放送をHD画質のままムーブするという待望の機能を実現したわけだ。

 ちなみに国内大手メーカー製PCの2007年春モデル全体では、富士通の「FMV-BIBLO NX」がHD DVDからBlu-ray Discに乗り換えたこともあり、Qosmioが唯一のHD DVD採用モデルとなっている。

 今回は2月下旬の発売に先がけG30/97Aの試作機を入手できたので、実際にデジタル放送の録画とHD DVD-Rへのムーブを試してみた。なお、試作機でのインプレッションなので、製品版とは一部仕様が異なる可能性がある。

 まずはG30/97Aの基本スペックだが、ハイエンドモデルだけあって贅沢三昧だ。CPUはCore 2 Duo T7200(2.0GHz)、メモリは1024Mバイト(512MバイトのPC2-4200対応DDR2 SDRAM SO-DIMMモジュール×2のデュアルチャンネル動作)、HDDは320Gバイト(160GバイトHDD/5400rpm×2)を搭載。2台のHDDを利用し、ストライピング(RAID-0)やミラーリング(RAID-1)を行えるのは、ノートPCとしては珍しい。注目のHD DVD-Rドライブは、HD DVD-Rの1倍速書き込みとHD DVD-ROMの1倍速読み出しに対応するほか、2層対応DVDスーパーマルチドライブとしても利用できる。

 OSはWindows Vista Premiumを採用し、オフィスアプリケーションはOffice Personal 2007とOneNote 2007を備えている。

HD DVD-Rドライブは前面に配置。今回入手した評価機は、東芝製ドライブ「SD-L902A」を搭載していた(写真=左)。背面にはHDMI出力端子や1000BASE-Tの有線LANを搭載。通信機能は、IEEE802.11a/g/bの無線LAN、FAXモデムも備えている。TVアンテナ入力やAV入力は、付属の変換ケーブルを装着して利用する(写真=中央)。底面のバッテリーを外すと、B-CASカードスロットが現れる。地上デジタル放送の録画を想定し、160GバイトHDDを2台搭載(写真=右)

 特筆すべきはグラフィックス機能の充実ぶりだ。チップセットはIntel 945PM Expressで、グラフィックスチップにはNVIDIA GeForce Go 7600(グラフィックスメモリ256Mバイト)を搭載。1920×1200ドット(WUXGA)の17インチワイド液晶ディスプレイに加えて、HD DVDの映像をTVなどに表示するためのHDMI出力端子まで備えている。17インチワイド液晶ディスプレイは、輝度が350カンデラ/平方メートルと下位モデルより低く、液晶TVほどの明るく高品位な表示は期待できないが、フルHD表示に対応する精細さがポイントだ。

 リモコンはMedia CenterとQosmio AV Centerの操作に対応した新タイプのものが付属する。従来のリモコンと比較して、Media Centerの起動ボタンを追加したほか、方向ボタンを4方向から8方向に増やし、チャンネルと音量のボタンを大型化した。チャンネルボタンはまだ小さい気もするが、従来機より直感的に使えるようになっている。そのほか、地上デジタル放送用のポータブル室内アンテナも引き続き同梱される。

17インチワイド液晶ディスプレイは、1920×1200ドットの高色純度・高輝度Clear SuperView液晶を搭載。光沢パネルで色鮮やかな表示だ(写真=左)。キーボードは、キーピッチ19ミリ、キーストローク2.7ミリと余裕のあるサイズで、レイアウトに無理がないため、入力しやすい。AV操作ボタンとharman/kardonステレオスピーカー、ボリューム調整用つまみを備えたデザインは、従来機と同様(写真=中央)。Media CenterとQosmio AV Centerの操作に対応した新型リモコンが付属する(写真=右/クリックするとリモコン全体を表示)

Windows Vistaでも独自ソフト「Qosmio AV Center」は健在

 TV番組の視聴、録画、管理は、Windows XP搭載の前モデルと同様、独自ソフトの「Qosmio AV Center」を利用する。Windows Vista Premiumに標準搭載されたAV統合環境Media CenterのTV機能は省かれており、Media CenterにはQosmio AV Centerを起動するメニューも用意されていない(HD DVD再生ソフトの起動メニューは用意されている)。

 Qosmio AV Centerの仕様は、Windows XP版とほぼ同様だ。G30/97Aは、地上デジタル/地上アナログTVチューナーを内蔵しているが、地上デジタル放送と地上アナログ放送をボタン1つで切り替えながら視聴できるほか、地上デジタル放送と地上アナログ放送の2番組同時録画に対応する。TV番組の視聴画面に加えて、番組表一覧から録画予約が行える「番組ナビ」、録画予約の状況を確認して変更できる「録るナビ」、録画した番組をサムネイル付きで一覧表示する「見るナビ」の3つの機能を持つのが特徴だ。3つのナビ機能は、リモコンに専用のボタンが割り当てられており、ワンタッチで起動する。

 根強いファンを持つ同社のDVD/HDDレコーダー「RDシリーズ」をベースに作られただけあって、Qosmio AV Centerの操作系はなかなか使い勝手がよい。RDシリーズの操作性を踏襲したリモコン操作用の10フィートUI「リモコンモード」に加えて、1画面内にTV視聴画面、番組ナビ、録るナビ、見るナビをまとめて表示する2フィートUI「マウスモード」を備えているのが好印象だ。とくにG30/97Aは液晶ディスプレイがWUXGAと高解像度なので、マウスモードで多くの情報を表示できる。

マウスモードは1画面内にTV視聴画面、番組ナビ、録るナビ、見るナビをまとめて表示する。番組ナビは、チャンネル別もしくは特定チャンネルの番組表を一覧表示(写真=左)。録るナビでは、録画予約の確認を行う。番組名はジャンルによって、色分けされている(写真=中央)。見るナビは、録画番組をサムネイル付きで一覧表示する(写真=右)

 機能面では、メールによる録画予約(ただし、複雑な文字列の入力が必要)、約1.5倍速で早送り再生しながら音も再生する「早見早聞」、約10秒戻って再生する「ワンタッチリプレイ」、約30秒スキップして再生する「ワンタッチスキップ」などを用意。地上アナログ放送では、スポーツ/ドラマ延長録画やタイムシフト再生を利用したさかのぼり録画「プレイバック機能」にも対応する。

 Qosmio AV CenterはTV画面を小さく表示する「ながら見」モードも備えているが、地上デジタル放送視聴時はWindows Aeroがオフになる(つまり、地上デジタル放送はオーバーレイ表示となっている)。基本的なTVの視聴や録画の機能に不満はないが、地上デジタル放送の録画データを編集できない点、地上アナログ放送と地上デジタル放送で機能に差がある点、機能の切り替えや画面表示に少々待たされる点は、今後の課題と言える。

番組ナビは、インターネットのサーバと通信をして、ユーザーの録画履歴などを元におすすめ番組を抽出したり、録画予約ランキングを表示する「おすすめサービス」にも対応する(写真=左)。Windowsでほかの操作をしながら小さな画面でTVを視聴できる「ながら見」モードも備える。操作パネルを非表示にできるほか、1ボタンでTV視聴ウィンドウを画面の隅に吸着できる(写真=右)
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