安心は、コーヒーを飲んでいる間に――「ノートン360」

» 2007年03月06日 22時33分 公開
[後藤治,ITmedia]
シマンテック代表取締役社長 木村裕之氏

 シマンテックは3月6日、コンシューマー向けセキュリティサービス「ノートン360」の製品説明会を行った。既報の通り、「ノートン360」はシマンテックが提唱する次世代セキュリティ構想「Security 2.0」へとステップアップする初のコンシューマー製品で、従来のPCセキュリティに加え、トランザクション(オンライン取り引き)の保護、システムメンテナンスおよびデータバックアップも含むオールインワン型のサービスとして提供される。

 その最大の特徴は、スキャンやバックアップなどの動作をバックグラウンドで行い、ユーザーの判断を仰ぐことなくほぼ自動的に問題を解決してくれる点だ。セキュリティアラートやポップアップなどは極力省き、初心者ユーザーにとって煩わしい要素を排除したまったく新しい設計となっている。

 主な保護機能は「Norton AntiVirus」「Norton Confidential」「Norton Save & Restore」「Norton System Works」の技術を踏襲(一部強化)し、分かりやすいユーザーインタフェースに統合。PCを日常的に使ううえで問題になるリスクを、製品名通り“360度”保護するのがコンセプトだ。

 製品説明の冒頭で、シマンテック コンシューマ事業部門シニアプロダクトマネージャ マーク・カノック(Mark Kanok)氏は、セキュリティ市場の動向について触れ、日々進化する脅威と、これに対応するセキュリティ技術が複雑化する一方で、一般的なユーザーにとってはどのような対策が重要なのか見えづらくなっているとコメント。「インターネットユーザーの14%はWebサイト上で個人情報の入力をやめ、22%はオンライン決済の利用をあきらめている」として、ユーザーの抱える不安感がオンライン活動を阻害している現状を指摘した。

 また、従来のPCセキュリティだけでなく、バックアップ不備によるデジタルコンテンツの消失などを例に挙げ、「8割近いユーザーがHDDにデジタル写真を保存しているにも関わらず、このうち半数近くは“やり方が分からない”“面倒”という理由でバックアップをしたことがない」と、一般的なPC利用に伴うリスクの増大にも言及。「デジタルファミリー層(注:同社はPC利用頻度の高い一般ユーザー層をデジタルファミリーと定義している)の多くは、オールインワン型で分かりやすいセキュリティプロテクションを求めている」(同氏)とし、今回投入されるノートン360がこれらの層にリーチする最適なサービスであると述べた。

同社の調査では、オンライン上の脅威による不安感から、ユーザーのオンライン活動が低下している(写真=左)。また、個人ユーザーのうち10%が過去1年間に重要なデータの損失を経験し、そのうち半分はデータの復元ができなかったとしている。1年のうち20人に1人は悲しい目に遭うということか(写真=中央)。ノートン360の主要ターゲットは、PCをアクティブに利用しつつ、セキュリティ知識は高くない「デジタルファミリー」と呼ばれる層(写真=右)

空き時間にメンテナンスを実行

 冒頭で触れたように、ノートン360の保護機能は既存の技術をほぼ網羅しているが、従来製品に比べて大きく違うのは、製品設計がユーザーの使用感にフォーカスされている点だ。簡単なインストール、過度なセキュリティアラートの抑制、専門用語をできるだけ排したインタフェースなど、ユーザーに負担をかけない「Set it and Forget it(一度設定すれば忘れてしまえる)」(同氏)な設計である。

 その最も象徴的と言えるのが、ノートン360で新たに採用された「スマートバックグラウンドスケジューラ」と呼ばれるタスク調整機能だ。これにより、スキャンやバックアップ、メンテナンスなどのタスクは、スクリーンセーバーのようにシステムのアイドル時間を利用して実行され、PC利用時のパフォーマンスが低下しないように配慮されている。「360は自動的にPCを安全な状態に保ってくれる、それもユーザーがコーヒーを飲んでいる間とかにね」(同氏)。また、メインインタフェースも、活動別のセキュリティ状況が簡単に把握できるデザインになっている。

活動別のメッセージでPCの状態を一目で把握できるUIを採用。ユーザーサポートもメイン画面に組み込まれた(写真=左)。スマートバックグラウンドスケジューラは、復帰時間もわずか1/1000秒以下と、ユーザーが意識する場面はほとんどない。スケジューリング機能を搭載する統合型のセキュリティ製品の中で、システムの稼働状況に応じたタスク管理機能を持つのはノートン360だけ(写真=中央)。競合製品とのパフォーマンス比較。プロセス数や使用メモリ、スキャン速度なども向上し、“業界平均”を大きく上回っている(写真=右)
ノートン360の主要機能デモ。PCセキュリティに加えて、フィッシング対策などのトランザクションセキュリティ(写真=左)、データバックアップ(写真=中央)、PCチューンナップ(写真=右)など、さまざまなソリューションが統合されている。各機能の基本エンジンは既存製品と同じ

 標準パッケージの価格は1万290円。ライセンスは1つのパッケージで3台までのPCにインストールが行える。また、標準パッケージには1年間のサービス料に加えて、2Gバイトのオンラインストレージ利用料が含まれる(詳細は右下の価格表を参照)。

 従来製品と異なるのは、サービス期間を過ぎるとアプリケーション自体が動作しなくなる点だが、これに関しては同社は「初心者ユーザーの中には期限切れの製品を使い続けて、本人は対策済みと思い込んだまま被害に遭うケースが多い。万全のセキュリティを確保するためにあえてサービス期間を明示する仕組みをとった」としている。

同社製品群の機能比較(写真=左)と発売日/価格表(写真=右)

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