富士通のリビング本格進出なるか?――HDMI搭載PC「FMV-TEO」の実力を探る大画面TVにつなぐVistaマシン(3/4 ページ)

» 2007年03月08日 14時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

オリジナルソフト「MyMedia」でAV機能をリモコンから快適操作

Media Centerの機能を代替する「MyMedia」。インタフェースのデザインは洗練されている

 繰り返すようだが、OSはMedia Center機能を持つVista Home Premiumを採用しており、リモコンもMedia Center対応のものが付属する。ただし、TEO50U/Dはオリジナルの10フィートUI型アプリケーション「MyMedia」がデジタル放送も含めてAV機能を広くサポートしており、事実上Media Centerに取って代わる存在になっている。

 MyMediaがサポートするのは、Webブラウザ、音楽再生、静止画スライドショー再生、動画再生、DVD-Video再生、映像配信サービスの動画再生となっており、DLNAベースのAVクライアント機能や、TV視聴/録画ソフトを起動する機能もある。GyaOや@nifty動画などの動画配信サービスはブラウザベースでのアクセスになるものの、独立した専用メニューが表示されるため、アクセスしやすい。一部の機能は別のアプリケーションを呼び出すため起動に時間がかかるなど、Media Centerと比較するとシームレスな操作感では見劣りするが、機能的な不満はない。もちろん、MyMediaから呼び出せる機能はすべてリモコン操作に対応しており、文字入力などはキーボードを併用することになるが、リモコン操作は極めて快適だった。

動画配信サービスはブラウザを起動することになるが、アクセスしやすいように専用メニューが準備されている(写真=左)。GyaOでは動画のジャンル別にアクセスすることも可能だ(写真=右)

MyMediaの「メディア共有」はDLNAガイドラインに準拠したクライアント機能。MyMediaがインストールされている2004年冬モデル以降のFMVシリーズから、ネットワーク経由でFMV-TEO内の動画、静止画、音楽が再生できる。なお、試しに「DiXiM」メディアサーバーを動作させているPCに接続したところ、AVコンテンツの再生が可能だった。ただし、録画したデジタル放送の映像は再生できない

 Webブラウザも専用の機能が準備されており、リモコンの「インターネット」ボタンでダイレクトに起動できる。タブブラウザなので、リモコンからタブを切り替えながら複数サイトの閲覧が可能だ。リモコンの4方向キーでポインタを操作できるが、キーを押しっぱなしにすると最初はゆっくり加速するため、細かなポインタの操作も問題ない。ズーム機能もあり、リモコンからボタン1つで拡大/縮小が行える。お気に入りの追加も可能だ(ただし、Internet Explorer 7のお気に入りとは別に管理され、お気に入りのインポートやエクスポートは現状で行えない)。画面の下にはリモコンの操作ガイドが表示されるため、操作に迷うことは少ないだろう。

 総じてリモコンで操作するブラウザとしては及第点の操作感だった。少なくとも一部の大画面TVが備えるブラウザ機能などと比較すると、機能的にも速度的にも比較にならないほど快適で、PCをあえてリビングに持ち込むメリットを強く感じた部分だ。

「インターネット」は単にブラウザを呼び出すだけではなく、リモコン操作に最適化されたインタフェースが用意されている(写真=左)。Lunascapeベースのブラウザだ。Webブラウズ中もリモコン操作のポップアップメニューで簡単に操作できる(写真=右)。タブの切り替えや拡大/縮小も1ボタンで行える

PC USERサイトを表示したところ(写真=左)。これは最小サイズでの表示だが、さすがに1776×1000ドットならではの情報量の豊富さだ。表示のレイアウトが崩れるようなこともなかった。ズーム機能を使って拡大表示し、デジカメで撮影した画面(写真=右)。ジャギーの目立たないキレイな拡大表示が好印象だ

デジタル放送は限定的ながらDVDへのダビングが可能、使い勝手も改善

 3波デジタルTVチューナーを内蔵するTV機能は、従来の同社製品と同様にピクセラ製のアプリケーション「DigitalTVbox」を採用する。HDDに録画した番組はDVD-RAMへのムーブに対応するほか、録画予約時に「ダビング」を指定することで1回のみDVD-RAMへのコピーが可能だ。録画した番組はDVD-RAMに記録する際、当然SD画質にダウンコンバートされるが、ダビング機能によりHDDにもHD画質の番組を残しておける点は特筆できる。ダビングに指定できる録画予約は1つのみという制限はあるが、単体のHDD/DVDレコーダーにはない機能という意味では魅力的だ。

TV機能は「DigitalTVbox」に集約されている。フルスクリーン表示(写真=左)とウインドウ表示(写真=中央)をサポート。オーバーレイ表示を利用するため、TV機能を起動するとWindows Aeroが自動的に無効になる。リモコンからトップメニューを起動すると、電子番組表、番組検索、録画番組一覧、録画予約一覧、各種設定の各機能にアクセスできる(写真=右)

 DigitalTVboxの操作性は悪くない。リモコンでの操作は単体のHDD/DVDレコーダーと比較しても違和感がなく、動作もきびきびしている。電子番組表からの予約でも開始時間、終了時間の微調整が可能で、繰り返し予約も可能だ。録画番組はレジューム再生もサポートしている。今のところ、PCでデジタル放送を扱う宿命として編集機能は一切ないが、デジタル放送を見る、録るという意味では単体のHDD/DVDレコーダーと比較しても大きな不満は感じない。

録画予約は項目を選択して決定キー押すと選択項目がポップアップする。リモコンでの操作も自然だ。繰り返し予約、開始時刻、終了時刻も1分単位で微調整できる(写真=左)。放送時間の変更に対する録画時間の追従や、大規模イベント(オリンピックなど)の放送などで複数チャンネルをまたいで放送が行われるイベントリレー、富士通特有のダビング機能もサポート(写真=右)。録画の基本機能はしっかりしている

 電子番組表はラテ欄タイプを採用しており、フルHD表示の場合、最大9チャンネルの一覧表示に対応する。拡大/縮小表示が可能で、番組表のスクロールは不満のない速度だった。また、選択中の番組がポップアップするため、放送時間の短い番組の内容も簡単に確認できる。筆者は2006年春モデルのFMV-DESKPOWER TXシリーズを数カ月利用していたことがあるが、1年前のモデルと比較しても使い勝手はかなり改善された。

DigitalTVboxはタスクバーのアイコンからも起動や録画予約の確認が行える(写真=左)。TV視聴画面を起動せずに録画予約の状況をすばやく確認できるのは便利だ(写真=右)

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