先週、ZOTACブランドのGeForce 7600GT搭載カード「ZT-76TE250-FSS」が複数のショップに入荷した。価格は1万7000円前後で、在庫は潤沢。
ZT-76TE250-FSSはGeForce 7600GTを搭載しており、コアクロックとメモリクロックはリファレンス通りの560MHzと1.4GHz。DDR3メモリを256Mバイト搭載し、外部出力にはデュアルDVIとTV-Outを備える。
国内では聞き慣れないメーカーのため、一部ショップからは「ATI系グラフィックスカードで有名なSapphireのブランド違い。NVIDIA系カードにも手を出し始めたのでしょう」という解釈を聞いたが、正確には別メーカーである。
ZOTACは、組み込み系のマザーボードやグラフィックスカードを供給するPC Partnerという台湾メーカーのブランド。ただし、「PC PartnerとSapphire Technologyは、一時同じ所在地に本社があった」(パソコンショップ・アーク)というように、Sapphireとの関連性は高い。
新興のブランドながらショップの評価は上々だ。某ショップは「FOXCONNと同じように、ブランドとしては知名度が低くてもOEMで実績があり、品質は確かです。ライバルメーカーに比べても安いので、今後伸びてくる可能性は高いでしょう」という。
ただ、その展望の明るさは、契約している国内代理店も大きく関係しているようだ。
グラフィックスカード市場は、1年前にeVGA製品が目立つようになり、1カ月前には中国メーカーのColorfulからGeForce 8800GTSカードが投入されるなど、新しいメーカーの参入が徐々に増えている。多数のライバルメーカーが凌ぎを削る業界においては、代理店の規模もシェアの確保に重要な役割を担うことになるのだ。
パソコンショップ・アークは「グラフィックスカードの3大代理店といえば、興隆商事とASK、シネックスです。ZOTACはASKと契約しているので、供給も安定すると思います」と話す。
また、フェイス秋葉原本店も「1〜2年で日本市場に本格参入してきたグラフィックスカードメーカーでは、シネックスが代理店になっているXFXが元気ですね。元々ヨーロッパで人気のメーカーですが、大きな代理店と契約したことで、国内の流通が安定したことは大きいです」と、代理店の重要性を認める。
ある店員さんは冗談交じりに「グラフィックスカードのメーカーは多すぎるので、ビギナーは代理店のシールを見てカードを選んだほうが失敗しないかも」と話していたが、あながち間違いではないかもしれない。また、新興メーカーがシェアを奪えば、今後“2軍落ち”してくるメーカーもありそうだ。
製品名: | ZOTAC「ZT-76TE250-FSS」 |
入荷ショップ | |
パソコンショップ・アーク | 1万6980円 |
高速電脳 | 1万6980円 |
TSUKUMO eX. | 1万6980円 |
ツートップ秋葉原本店 | 1万6980円 |
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